今月15日から陶芸展を開催する陶芸作家 佐藤 弥生さん 緑区橋本在住
家庭が楽しく、明るくなる器を
○…今月15日から地元橋本の画廊うめのえで陶芸展を開催する。都内での経験はあるが、地元では初めて。異なる色の粘土を重ねる”練り込み”という技法を用い製作した、食器や植木鉢などを多数展示。「”わびさび”ではなく、自分で染めていく作品。食卓が華やいで、家庭が豊かになるような作品を作ったので、ぜひそれを感じてほしいですね」。個展のそう見所をそう話す。
○…生まれも育ちも橋本。お祖父さんが絵を描き、お母さんが人形作りをしていたのを幼い頃から目の当たりにしていた。「母から『女性は家でできる仕事を持ったほうがいい』と言われて育った。自然と手に技術をつける道へ進んでいたかな」。玉川大学文学部陶芸科に進学。そこで出会ったのが、今の作風となっている”練り込み”という技法。色鮮やかな作品が作れることに惹かれた。卒業後に渡ったイタリアでビビットな色への感覚を学んだ。
○…「何色になっているかわからなし、イメージと違うものができたり。窯を開ける時が楽しみ」。自分の作品で食卓を彩り、そこで飲んだり、食べたりと、自分の空間を造れるのが陶芸の魅力だという。日本では女性が食事を作る機会が多い。イタリアでもそうだった。「毎日のことだから、女性はくすぶりがち。少しでも家庭で使える楽しく、明るくなるようなものを作りたい」。その思いが作品作りの源になっている。
○…毎日食事を作り、自分の作品に盛り付ける。その日課は中学1年生の息子さんへも好影響を与えている。「食器を大事にしてくれるし、家でちゃんとご飯を食べてくれるんです」と母親の顔を覗かせる。これからは野菜も手作りに挑戦していきたいという。「環境に優しいことにも取り組んでいきたいし、みんなに実際に物を作ってもらって、そうした感覚を持ってもらいたいですね」。母として、女性として。それが作品づくりへ繋がっている。
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