相模原市 衛星使って防災訓練 JAXA協力 孤立地区で
相模原市は2月24日、津久井地区の中山間部に位置し、市の孤立対策推進地区にも指定されている緑区三井の名手地区で、大地震発生を想定した対応訓練を実施した。今回の訓練には、JAXA(独立行政法人宇宙航空研究開発機構)も参加。超高速インターネット衛星「きずな」を利用した通信訓練も行われた。市町村単位でJAXAと連携し、人工衛星を使った訓練を行うのは、全国でも初だという。
市は昨年、地震など災害が発生した際に、道路や通信等が遮断され、孤立が懸念される地域として、55のエリアを孤立対策推進地区に指定。そうした地区への食料や毛布などの備蓄対策は進められていたものの、実際の対応訓練は今回が初となった。
訓練は、その一つに指定されている緑区三井の名手地区で行われた。市をはじめ、津久井警察署や自衛隊など7団体と、地元自治会の自主防災組織委員を含めた計140人が訓練に参加。大地震が発生し、実際に同地区が孤立したことを想定し、避難誘導、航空機による情報収集のほか、救助ボートなどを使った負傷者の救出・救助訓練を行った。
現地と直に情報交換
市は昨年、市町村単位では全国でも稀な「超高速インターネット衛星『きずな』を用いた防災利用実証実験に関する協定」をJAXAと締結。その協定を受けて、今回初めて市の訓練にJAXAも参加した。
東日本大震災の際、停電に加え、電話回線も使えない状況で、情報が集まりにくかったことを受けて、今回の訓練では、衛星を使った情報収集をすることを目的とした。当日は、『きずな』を経由して名手地区、現地対策班となる津久井総合事務所、消防指令センター(中央区)の間で、現地のライブ映像を共有したほか、TV会議やインターネット環境システムの構築といった確認作業も行った。
「予想以上に映像が鮮明で映像の遅延も気にならないほどだった。今回の訓練で『きずな』を使った情報収集、伝達が実現可能だとわかり、準備段階の過程も確認できた。今後、衛星のメリットをさらに活かし、TV会議のモニターを増やしたり、様々なケースを想定した訓練をやっていきたい」と話している。
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