緑区内に生息するニホンザルによる被害が深刻化しており、昨年度、市内での農作物の被害額は約270万円、被害面積は約7haに及ぶとされている。市は、猟友会らによる追い払いや、県ニホンザル管理計画に基づいた管理捕獲を進めている。また、クマの目撃情報も連続で発生しており、野生動物の活動が増える夏に向けてよりいっそう注意が必要だ。
市内でニホンザルの群れが出没しているのは緑区津久井、相模湖、藤野地区。神奈川県によるモニタリング調査では、市内のニホンザルの個体数は2012年度449、13年度425、14年度400と年々減少しているが、市によると、生息域が拡大しているため、被害の増加につながっているという。
特に被害が多かった昨年度は農作物被害(自家用農作物を含む)が278件、人家侵入などの生活被害が77件となっている。被害件数は、その年に実る山の木の実の量によるため、年によって大きく差が出るという。今年度は現状として、昨年度に比べて人里での出没が少ないが、畑に作物が実り出す7月〜9月が被害のピークとされるため、よりいっそうの対策が必要とされている。
電気柵設置の補助も
市は対策として、追い払いと管理捕獲を実施している。追い払いは猟友会がゴム弾を使って行うほか、業務委託をしているシルバー人材センターや、地域住民による自主防衛組織が連発花火などを使用し、威嚇している。管理捕獲とは、県ニホンザル管理計画に基づいて定められた頭数の捕獲を行うもので、今年度、市内では105頭の捕獲をめざし、専門業者が進めている。
また、市は地域住民に向け、被害防止のための電気柵設置の補助も行っている。「行政だけで被害を減らすことは難しい。『自主防衛』を呼び掛けていきたい」と市は話している。
6・7月にクマも目撃
区内では6月22日に佐野川、7月1日に青野原、鳥屋でクマが目撃されている。今年度でクマが目撃されたのは4件目となる。
クマ出没のピークは栄養を蓄える秋とされており、今後目撃が増えてくる可能性も大いにあるという。市は、「見かけた場合はすぐに津久井警察署または津久井地域環境課へ連絡を」と呼びかけている。
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