津久井商工会(関戸昌邦会長)は、津久井産の間伐材を利用した「生ごみ処理機(キエーロ)」の開発に取り組み、早い段階での実用化に向け取り組んでいる。「商品化が実現すれば、津久井の里山保全や地元での雇用創出につながる」と同商工会は期待している。
全国的にごみ処理費用は年々増加傾向にある。相模原市も例外ではなく、年間にかかる100億円近いごみ処理費用の内、約40%が一般ごみとなっており、市でも「相模原ごみDE71(でない)大作戦」、分別を推進するキャラクター「分別戦隊シゲンジャー銀河」によるPR作戦など、ごみの減量・資源化に対する様々な対策を講じている。
そうした中、同商工会は逗子・葉山町や国立市などで、自然の力を借りてエコに生ごみを処理する「キエーロ」の噂を聞き、昨秋から工業部会(中村茂部会長)が中心となって調査を開始。キエーロが木材で出来ており「津久井産の間伐材で制作すれば、津久井の環境保全や雇用の創出にもつながるのでは」と、商品開発に取り組むことを決定した。
開発に取り組む生ごみ処理機は、津久井産材で出来た箱の下に土をまいたもの。日当たりと、風通しの良い場所に設置することにより、土の中のバクテリアが生ごみを分解していく。特に魚や肉のごみ処理に優れ、虫の発生防止や消臭効果も高いという。残ったごみはガーデニングや家庭菜園に再利用できるのも大きな利点の一つだ。
現在は商工会員宅など6基のキエーロでモニター調査を実施。「虫が湧かない」「臭いが少ない」など、評判は上々だという。開発には市の協力も取り付け、商品化の際には購入金額の半額を市が補助することも決まっている。
関戸会長は「里山に囲まれた津久井地域では昔から、『山』は宝とされてきました。この製品は津久井の財産である里山保全の他、ごみ処理費用削減、鳥獣対策等の環境保全、雇用促進にもつながる一石四鳥にも五鳥にもなり得る製品です。今年度中の製品化を目指し、取り組んでいきたい」と話している。
事業に関する問い合わせは、津久井商工会【電話】042・784・1744へ。
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