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橋本公民館で開いている無料学習塾「相模原みのり塾」の代表を務める 小布施(おぶせ) 実穂子さん 中央区星が丘在住 48歳

公開:2017年3月23日

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未来は子供が担うのだから

 〇…「どんな環境の子どもにも学習の機会があるべき」。そんな思いで昨年5月、無料の学習塾を立ち上げて約1年。この春、7人の中学3年生を高校へと送り出す。経済的な理由で私立を併願できない子もいた。この塾に通うことを隠す生徒もいた。先日、卒業生や保護者から、「ここに通ってよかった」と声をかけられたのだと、笑みをこぼして教えてくれた。

 ○…大阪府豊中市出身。

幼少に始めたピアノは大学のサークルにも生き、バンドを組んでロックからポップスまで洋邦楽の数々を奏でた。「楽器開発に携わりたくて」ローランド社に就職し浜松に3年。結婚を機に退職、上京し、20年ほど前に相模原に腰を据えた。多くの人に助けられた子育てがひと段落すると「自分ができることで人の役に立てないか」と思案する。「勉強ならなんとか教えられるかも」と無料塾「八王子つばめ塾」の門を叩き、2年半ボランティア。そこで社会の現状を知り、地元相模原での開設を思い立った。

〇…生徒は中学1年から3年まで約20人。会社員、自営業、元教員、大学生など多種多様な25人のボランティア講師は子どもにとって「社会の入口」。それを利用し「もっと柔軟に社会との繋がりを作ってあげられたら」との思いは強い。「生徒にとっては少ない」という週1日、約3時間の授業。だが講師も自分の生活と両立しなくてはならず、日数は増やせない。「小規模でもいいから、あちこちに教室ができ、子どもが選べるようになれば」と無料塾が抱える課題にも言及する。

 〇…模試や情報力、豊富な受験ノウハウをもつ有料塾とは「担う役割が違う」と考える。「お金がなくても『勉強したい』という気持ちを大切にしてあげたい。うちで勉強しながらお金を貯め、中3になったら有料塾に通ったっていい」。将来の日本を背負っていく子どもを社会が支えなくてはと、柔和な笑みから固い意志をのぞかせた。

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