町田市中心市街地 来街者 前年より4.3%減 通行量調査を実施
町田商工会議所の都市整備・まちづくり委員会(渋谷俊徳委員長)は3月20日、中心市街地50カ所での来街者通行量調査の報告を行った。2013年11月24日に実施し、通行量合計は昨年度より3万人超の減少(前年対比マイナス4・3%)となった。
調査は中心市街地の通行量を計測し、変化と傾向を把握することで都市整備基盤データとして街づくりに役立てるという目的で、同委員会より依頼を受けた町田市経営診断協会(猿山(さやま)康継理事長)が30年以上継続して実施している。
2013年度は11月24日の日曜日、午前11時〜午後7時に中心市街地50カ所で通行量を計測し、数値は「地点別・年度別」「地点別・方向別」「時間帯別」に表やグラフにまとめられた。調査方法は各地点に調査員を配置し、左右方向の歩行者通行量(中学生以上、自転車含む)を数取り器で測定し、1時間単位で記録するというもの。
総通行量は69万5778人で2012年に引き続き減少傾向にあり、2009年のリーマンショック後の総通行量よりも1万人強減少した数値となった。50地点中、一番減少率が高い地点は東側エリアの「ミーナ入口(ターミナル側)」で、前年比でマイナス53・2%となり、「大型100円ショップ」やまちだターミナル・プラザ内のハンバーガーチェーンの閉店などのほか、ターミナル・プラザ広場でイベントが行われなかったことなどが原因の一部に挙げられた。
一方で微増した西側エリアでは当日、「マチミロ」などのイベントが開催されており、それが増加の要因と考えられた。
今後の課題としては、通行量調査と並行し、年齢・性別、居住地、目的などのアンケートを取るなどし、来街者調査のより一層の質的充実を図り、世帯構造の変化や少子高齢化、核家族の増加など来街者層へのきめ細かい対応の必要があるという。また、休日と平日では人手や人の流れ、来街者層に差異が生じるので、これらの調査も踏まえ、調査結果をタイムリーに有効活用し、商品開発や店舗改善など今後の街づくりや店舗づくりに役立て、中心市街地の活性化につなげるべきとしている。
調査発表を行った同協会の吉田浩さんは「現在の中心市街地には来街者が町を回遊し長く留まってくれる仕組みが弱い。たとえば『プロジェクトマッピング』など家族連れが楽しめるイベントや催し物を定期的に開催し来街者の増加、長時間の滞留化を図る必要がある」とコメントした。
「人口構成から見える人の流れ」
町田市経営診断協会の猿山(さやま)康継理事長は、今回の調査結果は「武相地区の人口構成による大きな流れ」が強く関わっているという。 住宅地として栄えた同地区には団塊世代が多く住んでおり、そのジュニア世代が今、40代になり、町田もその世代に向けてのマンションが林立している。
猿山理事長は「西側地区の通行量増加はマンションが増えたことも一因。八王子市では、マンションができ住民が増えたにも関わらず、昔ながらの商店街がシャッター街になってしまったという例がある。これはマンション住民の層と商店がマッチしなかったという結果。今後、各商店会や企業がいかに新住民を取り込み、行政を含めて魅力ある街づくりをすることで、来街者の通行量も変わってくる」と話した。
|
|
<PR>
|
|
|
|
|
|