2004年アテネオリンピック女子フルマラソン金メダリストの野口みずきさん=写真=が3日、町田市文化交流センターでトークショー(GALLERY2主催・株式会社アシックス協力)に参加し、金メダルのことや辛かった選手時代のことなどを話した。
会場には中学生から社会人、シニアランナーなど幅広い年齢層が集まり、野口さんは陸上との出会いや中学生時代、「県で7、8番目くらいで、ぜんぜん目立たなかった」と振り返り、「でもね、勝ち気な性格を見抜かれて、男子と一緒に練習させられてから成績が伸びてね、高校1年では県で1位になっていた」と懐かしんだ。
世界陸上、オリンピックと一気に世界ナンバーワンとしてマラソン界をひっぱていたころ、「練習がきつくてね」と当時の猛練習についても話が及び、1か月間で1350Km以上も走り、「走った距離は裏切らない」とレースに出るたびに記録を塗り替えていった。
アテネオリンピック前の合宿で、「プチ家出したことがあってね」と練習のつらさを紹介。「きつくて、辛くて、どうしようもなくなって、合宿場を抜け出したの。でも言葉が通じなくて」とスイスでの合宿で英語も通じず、山間部から町に行くバスの乗り方もわからず、しかたなくホテルに戻ると、仁王立ちしてまっていた監督に大目玉をくらったという。
オリンピックで金メダルをとったレースと2016年の現役最後のレースは、同じ気持ちで走っていたという。世界陸上で好成績を残し五輪出場がほぼ内定した時から、想像を絶するつらい練習が始まった。でも充実した時間でもあった。「ゴールしたら終わっちゃうんだ」と思いながら金メダルを手にした。現役最後のレースも同じだった。「いつまでも続けばいいのに」。会場は笑いと涙に包まれながら、野口さんの話に惹きこまれていった。
講演を聞いていた中学生は「野口さんが『辛いことは苦労と思わないで、上に行くための階段と思ってね』という言葉が胸に刺さりました。陸上をやっているので、いつか一緒に走れたらいいです」と話していた。
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