圏央道の八王子西インターチェンジから中央道の八王子インターチェンジまでをつなぐ全長8・8キロの都市計画道路「北西部幹線道路」が都で施工する案が発表された。同路線は現在、市の所管として1994年の構想から約20年経ちながらもわずかな区間しか工事が進んでいなかったが、都が整備することによって大きく前進する可能性がある。
方針は、東京都と都内に位置する自治体(特別区、多摩26市2町)が協働で策定を進める都市計画道路整備方針(第4次事業化計画案)で示された。この中で北西部幹線は優先整備路線として選定されており、予定地の大部分(6480キロメートル)が都の施工によって整備される路線となった。優先整備路線は今後10年間で優先的に事業着手するべき道路と位置付けられる。現在、パブリックコメントを募集しており(2月10日まで)、それを受けて今年度末までに方針が決まる見通し。同路線は2013年に八王子市から都に対して、都の計画に盛り込んでほしいと要望していた。
西の玄関口として
北西部幹線によってつながるエリアは川口地区にできる物流拠点予定地も含まれる。市によると「圏央道が全線開通すれば、首都圏の大きな道路網が完成する。それを効果的に活用するためには生活道路としての一般道(北西部幹線)が必要になる」と話す。八王子西インターは現在、中央道方面からの出入りのみ可能だが、来年度には関越道方面にも対応したフルインター化が予定されており、利用者の増加が見込まれる。物流の観点からするとインターのフル化、物流拠点、そして北西部幹線がセットになるという。
また、八王子インターの東側は、日野自動車(日野市)近くを経由してJR豊田駅につながる都道3・4・28号線の工事(2019年度完成見通し)が進行しており、北西部幹線ができれば豊田駅から圏央道までのルートもできる。市は「インターのフル化と北西部幹線が完成すれば、西インターが新たな西の玄関口となる。多摩地域全体の広域道路網のネットワークが誕生する」としている。
なお、北西部幹線は災害時の物資輸送のための重要路線とも考えられている。さらに平行する形で走っている秋川街道の慢性的な渋滞解消も期待される。