八王子学園八王子高等学校(台町)が第98回全国高校野球選手権西東京大会で初優勝した。8月7日(日)に開幕する甲子園大会に市内の高校として初めて出場する。優勝を決めた翌日、4番を務めた3年・保條友義選手(上壱分方町出身)=写真=と父・悦男さんが本紙に喜びを語った。
「早実戦の時は清宮君がいたので周りの雰囲気も違いましたが、そのときに比べれば決勝は緊張しなかった。チームの雰囲気も良く、厳しい状況でもチーム全員『必ず逆転するぞ』という意気込みがあった」「帰りのバスの中は静かでした。みんなお祝いメールの返信に忙しかったから」(保條選手)
保條選手は今大会、4番打者としてチームを牽引し優勝へ導いた。
悦男さんは当日神宮球場まで応援に行った。「まだ実感がわかない。夢の中にいるよう」と笑みを浮かべた。
悦男さん自身は高校1年のときに怪我で野球をあきらめた。友義さんが5歳になると野球を教え始めた。「子どもが学校から帰ってくるのを家の前で待っていた。遊びに行かせないように」。毎日400〜500球のティーバッティングをさせ、休みの日に遊園地やプールに連れて行くこともなく野球漬けの日々だった。
保條選手が小学生の頃に所属していた八王子イーグルスの監督で当時も指導していた山岸一幸さんは「リーダーシップがあり、みんなから信頼されていた」と振り返る。山岸さんの息子2人もかつて同校野球部に所属しており、決勝戦で敗れるなど悔し涙をのんだ経験がある。それだけに今回の優勝を喜ぶ。「悲願です」。優勝翌日には保條選手の自宅へお祝いにかけつけていた。
友義さんについて悦男さんは「気持ちが優しい。保育園の頃の友人と今でも関係が続いている」と精神面を評価する。怪我やプレッシャーに悩み、一時期野球から離れそうになったこともあった。それをひき戻し、再び白球と向き合えるようにしてくれたのはその友人たちだった。「『みんなの期待の星なんだから』と励まされたようです。監督やヘッドコーチも『自分でやりたくなるまで来なくていい』と待っていてくれた」と悦男さんは周囲への感謝の気持ちを述べた。
保條選手の自宅がある上壱分方町神戸町会の内田寛会長は、決勝進出を決めた7月25日の夜、町内に「保條くんを応援しよう」とテレビ観戦を促すチラシを貼って回った。いてもたってもいられず、両親の許可をとってすぐに行動したそう。優勝すると直ちに「甲子園出場おめでとう」という内容に張り替えた。「本当に町の誇りです」と喜んだ。
「やっと…、勝てました」。決勝戦の約3時間後、同校に集まった保護者や近隣の人たちに対しての優勝報告会で安藤徳明監督が絞り出すように話しだすと大きな拍手が沸きおこった。決勝進出は今回で3度目。八王子市民にとっても待望の優勝だった。安藤監督は「甲子園に行っても自分たちの野球を信じて泥臭くやっていきます」と締めくくった。八王子駅と西八王子駅、同校前では号外が配られた。
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