苦境に立ち向かう中央大学(東中野)体育会を追う2回目。今回は「箱根駅伝」で最多となる14回の総合優勝を誇るものの、直近の4年間はシード権(10位以内)外に甘んじている陸上競技部・駅伝ブロック(87年連続90回出場)の今を見る。
部内に衝撃
3月上旬、同部関係者に衝撃が走った――。同部OBで、世界陸上競技選手権大会・男子マラソン日本代表に3回選出されたことのある藤原正和さん(35)=写真=の監督就任が同大学によって発表されたのだ。藤原さんは、リオ五輪のマラソン代表を目指していたものの、その選考会となる3月6日の「びわ湖毎日マラソン」に怪我で出場できず引退を表明。その報を聞いた同大学が水面下で駅伝監督就任の打診を行っていた。「連絡を頂き驚いた。指導歴が無いことなどから不安な面もあったが、快く受けさせて頂いた」と藤原さんは話す。
鍵はスピード
「思ったよりも良い走りをする」。4月の正式就任を前に、3月下旬に行われた同部合宿に藤原さんは参加。そこで見た選手たちの走りは、藤原さんが考えていたよりもレベルが高いものだった。「能力はある。その力をいかに出し切ることができるかが課題だと感じた」。課題解決のキーワードに挙げたのがスピード。
同部では近年、ひとり20キロ前後を走る箱根駅伝を意識して、スピードを高めるよりも、「確実に」長い距離を走るための長距離走を重視した練習を重ねてきた。藤原さんはその練習スタイルが「力を出し切れない」要因のひとつになっていると考えたのだ。
そのため藤原さんは4月以降、スピード強化のために短い距離を繰り返し走る「インターバル走」の目標タイムを上げたうえ、その直後に「出し切る」能力を身につけるための400mを全力で走るメニューを加えるなど、量よりも質を重視した練習に切り替えた。
同部の新垣魁都(かいと)主将は「新しい練習で早くも結果を残しているメンバーもいる。みんな『やってやろう』という気持ちだ」。大学時代に山上りの5区、エース区間の2区で区間賞を獲得するなど、箱根駅伝を知り尽くしている新監督の手腕に期待が寄せられる。
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