今夏、リオデジャネイロ五輪に新体操日本代表・フェアリージャパンの一員として出場し、8位入賞を果たした畠山愛理さん(22・日本女子体育大学)が9月21日、母校の多摩市立聖ヶ丘中学校で講演を行った。後輩たちに大会中の応援への謝辞を述べるとともに、自身の新体操人生を語り、「夢を持つこと」「夢を叶えるためには挫折も乗り越えて」とエールを贈った。
同校は、東京都教育委員会から「平成28・29年度スーパーアクティブスクール」「平成28年度オリンピック・パラリンピック教育重点校(障害者理解の促進)」の2つの研究指定を受けており、中学生の体育・運動能力向上への研究開発を行い、都内の全中学校に向けて発信する取り組みを行っている。そうした中で今回、「トップアスリートからの学び」と題し、同校の卒業生で、五輪に2大会連続で新体操日本代表の一員として出場し、入賞を果たした畠山愛理さんを講師に招いて講演会を行った。
挫折を乗り越えて
前回のロンドン五輪での壮行会以来、4年ぶりの母校訪問となった畠山さんは、まず「リオ五輪ではたくさんの応援ありがとうございました。こうして皆さんの前でお話ができてとても嬉しく思います。久しぶりに学校に来て懐かしい」と話してから、自身の体操人生を語り始めた。
小学1年生で新体操を始めた当初は夢を持っておらず、楽しいという気持ちだけで練習をしていたこと、成長していくにつれ小学生の全日本大会で決勝に入ることを目標にし、6年生の時に決勝で6位入賞し、初めてオリンピックに出ることを目標にしたという。
その後、中学2年生で腰を怪我してしまい、挫折を経験。その際、保健教諭に励ましてもらって頑張れたことや、中学3年生になって「落ちたら新体操を辞める」と決めて誰よりも必死に練習して日本代表のオーディションに臨んで合格したことを語った。
また、代表入りしてからは1日8時間〜10時間練習の日々で、周りの友達と全く異なる生活を辛いと思いながらも「オリンピックに出れるんだったら」と目標に向かって努力してきたことを語った。練習拠点となっていたロシアでの生活や、文化に慣れることが大変だったことにも言及。その中で「食事はマヨネーズが多くて、体型を維持するのに大変だった。中学生時代によく貧血になっていたので、みんなはしっかり食べて」と笑顔で会場の笑いを誘った。
試合は練習通りに
オリンピックを振り返り、「本番で自分たちの力を出す大変さ、みんなの応援があって力を出せることを改めて思った」と話し、「試合の時にいかに練習の成果を発揮できるか、試合だから勝ちたいというのではなく、練習通りにやること、練習の時から試合だと思ってやることが大事だとオリンピックに出て感じた」と力強く語った。
また2020年東京オリンピックについては、自身がリオで現地の人に応援してもらった経験を踏まえ、「スポーツの素晴らしさを知っていただくいい機会。みんなにも試合の時の拍手や応援の声、ボランティアなど積極的に取り組んでほしい。どんな形で関わるかわからないけど一緒に盛り上げていきたいので、笑顔でオリンピックを迎えられるようにみんなで頑張りましょう」と話した。
その後、リボンやクラブ、フープなどのデモンストレーションを行い、飛び入りで参加した生徒たちにコツなどを教えた。中には女子生徒が思わず「かわいい」と畠山さんに抱きつく場面も。生徒からの質疑応答では「体が硬いので柔らかくなる方法を」「緊張をほぐす秘訣は」といった質問に「毎日柔軟を」「リラックスできる方法を探すこと」などと笑顔で答えた。
普及・啓発活動を
最後に記念撮影をした後、生徒たちの花道でハイタッチをしながら退場した畠山さん。本紙の取材に「競技はこれで引退。多くの方の支えがあってここまで来ることが出来たので感謝でいっぱい。まだ具体的な活動は決まっていないけど、新体操のことを知らない人がまだ多いので普及・啓発に取り組んでいきたい」と今後の目標を語った。
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