千本桜 治水工事で伐採へ 改修後には新たな桜の植樹も
桜の名所として知られる引地川沿いの「千本桜」(福田)で、県の治水工事の一環として桜の伐採が計画されている。2016年度から21年度にかけて、新道下大橋から福田8号橋までの約1・3Kmの河川を幅広改修する。
ソメイヨシノの千本桜は、1970年に分譲地として開拓された地域で、引地川の両岸に不動産会社と地域住民らにより植樹された。現在では、約470本の桜が川沿いにピンクのトンネルを作り、春に多くの人が訪れる県内屈指のお花見スポットになっている。
一方で、この区間ではゲリラ豪雨などの際に氾濫危険水位を超えることもあり、桜の保全と河川改修などの治水対策の2つを進めていくことが課題となっていた。
市民と行政で協議
そこで2010年度に神奈川県厚木土木事務所東部センターと大和市、近隣の4自治会、有志による「桜を守る会」(江口之治会長・160人)、千本桜商店会で「引地川の川づくり検討会」を立ち上げた。学習会を開き、方向性を模索してきた。
安全面から改修工事を進めたい行政側と、景観を守る思いから桜の保全を訴える市民側で当初は話し合いが難航。昨年3月に開かれた検討会で、行政側が住民の思いを汲み、工事後に新たな桜の苗木の植樹を提案。桜の老木化や安全を考え、市民側が改修工事を受け入れた。
「桜を守る会」の江口会長(73歳)は、「桜の伐採は非常にさみしいが、住民の安全には変えられない。工事が始まるまであと2年、この風景を目に焼き付けたい。また、これからの千本桜がどうなっていくのかを見守っていきたい」と話している。
今後、検討状況報告会を開き、工事の進め方や植樹後の桜の管理などを話し合っていく予定。
4月6日(日)には「千本桜さくらまつり」が開催される。大和市イベント観光協会によると「昨年はまつりの前後合わせ20万人以上が来場した」という。
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