交通網が寸断され数日間に渡り集落が孤立するなど、関東甲信越から東北地方の一部に大きな被害が出た14日から15日にかけての大雪は、海老名市内でも過去に類を見ない降雪被害をもたらした。
東柏ケ谷では60cm近い地点も昼過ぎから
昼過ぎから雪がちらつき始めた14日、海老名市内では水分を多く含む雪だったが、午後3時前ごろから路面にはうっすらと雪が積もり始め、海老名駅前のバス乗り場やタクシー乗り場には家路を急ぐ客が長蛇の列を成した。
都内に勤務するという30歳代の男性会社員は「8日の大雪で電車が止まり苦労したので、きょうは早めに退社した。大きな被害が出なければ良いのだけれど」と話し、バス待ちの列に並んだ。
車両が立ち往生市内各所大渋滞
夕刻にかけて雪は強さを増し、圏央道や東名高速道路などにチェーン規制が敷かれたことなどもあり、市内の道路も大混乱が生じた。スリップした車両が立ち往生し大渋滞が各所で発生。中には数時間にわたり、通行が滞った箇所もあった。
避難所開設も一時検討
午後7時20分ごろから運行を見合わせたJR相模線の社家駅には一時、100人を超える乗降客が滞留。市は近隣の社家小学校またはコミュニティセンターへ避難所開設を進めた。しかしJR側が代替のバスを手配し、およそ60人の乗客を橋本駅まで各駅に停車しながら、送り届けた。
建設業者が除雪ボラ
深夜にかけて降雪量が増す中、市内の建設業者らがボランティアで重機を出動させ除雪作業を進めた地域もあったが、雪の勢いは収まることなく、積雪を重ねていった。
早朝から雪かき
夜が明けると早朝から雪かきに汗を流す市民の姿が市内各地で見られた。記録的な雪の量にあ然としていた国分北に暮らす83歳の男性は「生まれてこのかた、ここにずっと暮らしているが、こんな大雪は体験したことがない」と話した。
また、東柏ケ谷に暮らす40歳代男性は「雪かきはもう懲り懲り。この間(8日)の雪よりもはるかに多い」と額に大粒の汗をかきながらスコップを手に話した。
過去最大級の積雪量を記録
市危機管理課によると8日の降雪時に最大で32cmの積雪を記録した市役所南側の芝生広場では、今回の大雪で15日午前4時に46cmの積雪を記録。また、本紙の調査によると東柏ケ谷2丁目付近では60cmを超える地点も確認された。
同地区に暮らす50歳代の女性は「昨晩は風も激しく、恐怖を感じた。家がきしむような音も聞こえて全く眠ることができなかった。朝は雪が吹き溜まっていて玄関の扉が開かず、裏側の窓から外に出た。こんなに怖い経験をしたのは初めて。災害だと思う」と困惑気味に話した。
カーポート破損被害多発
15日未明、雪は雨に変わり、それまで降り積もった雪が大量の水分を含み重さを増したため、市内各所でカーポートの屋根が潰れる被害が多発した。
市危機管理課によると、「補償制度はないのか」「業者を斡旋してほしい」といった類の問い合わせが相次ぎ寄せられた。
高速道路通行止め
東名高速道路は15日午前2時45分時から16日午後10時に復旧するまでほぼ2日間、通行止めとなった。また圏央道も海老名ジャンクション(JCT)―相模原愛川インターチェンジ(IC)間が14日午後4時30分から通行止めに。海老名JCT―海老名IC間は18日午前0時に、海老名IC―相模原愛川IC間は午後10時に通行止め措置が解除された。
残雪が凍り道路に障害
雪がやみ2日が経った17日、国道246号線などの一部では残雪が凍結し車両の通行に支障をきたしている箇所があった。
住宅街の生活道路では日ごろよりもスピードを落とし、運転するドライバーも多かったが、ある程度のスピードを出し走行している国道などでは、急ブレーキや急ハンドルでこの「障害物」を回避するドライバーも数多く、危険な状況が見られた。
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