大谷南のリサイクルプラザが家具補修の廃材を利活用し製作している「積木セット」が話題だ。幼稚園や保育園などにセットを贈る活動は昨年2月からはじまり1年が経った。「ものを大切にすることを少しでも感じてもらえれば」―。「廃材積木」にはそんな思いが詰まっている。
リサイクルプラザの取り組み
家庭で使われなくなりゴミとして搬出された家具に補修を施し「次の使い手」に廉価で販売するリサイクルプラザの再生家具販売事業。プラザの理念を象徴する取り組みだが、家具の状態によっては再生が難しい場合もある。資源化が難しいこれらの家具が今回の主役となる。
プラザ内の加工室には素材や大きさごとに整理された木材が並ぶ。家具として再生できずに分解した後、選別された「使えそうな部材」だ。プラザで3年前から家具補修に従事する安藤敏明さんはこの中から、おもむろに角材を1本選び出した。
木工機械を巧みに操り、まずは「家具時代」の歴史を感じさせる傷や汚れが見られる木材の表面を削る。長年の汚れが削り落とされると、角材は白木へと姿を変えた。この白木を四角や三角のパーツに切断。丁寧に面取りを施されると、積木へとその姿を変えた。
使われる素材は異なるため、仕上がった22ピースのセットは風合いもさまざま。「これも『味』。もともとはゴミになってしまうもの。硬さも重さも違うからこそ面白い」。職員の富田良一さんはそう話す。
昨年の年明けにボランティアスタッフが発案し2月から「廃材積木」を市内の幼稚園や保育園などに贈るようになった。1年が経ち、この取り組みは幼稚園や保育園などの関係者の間で話題となりつつある。
昨秋、セットを贈られた幼稚園の園長は「ものを大事にする心を子どもたちに伝えるいい機会になった。今後も続けていただきたい」と話している。
保護者らからも「家庭用に購入したい」という問い合わせも増えてきているという。しかし積木製作は家具補修の合間を見て進めているため、個別への対応は難しいのが実情だ。
富田さんは「こういう声が聞こえるということは『廃材積木』に込めた『ものを大切にするという』思いが伝わっている証だと思う。積木を通じて、より多くの方にこの思いを共有していただければ」と話している。
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