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「喰の道場」が閉館 三浦観二館長に聞く

社会

公開:2014年9月5日

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最終日は関係者らが集まりセレモニーが行われた
最終日は関係者らが集まりセレモニーが行われた

 毎月約1500人が利用する「喰の道場」が8月末を持って閉館した。

 扉を開けると、真ん中に30席あるホールと両サイドには、イタリアンから韓国料理、寿司屋までバラエティに富んだ8軒が並び、これまでになかった新スタイルの居酒屋として10年前の開館当時からメディアなどにも取り上げられ、利用者から好評を博していた。

 2004年9月、ビナウォーク利用者ら駅前の人の流れを周辺にまで引き込み街の活性化を図ると同時に、人材の発掘・育成も目的に、まちづくりを考える経営者有志10人が出資した「(株)これでもかっ」が10年間の期限付きで「喰の道場」を起ち上げた。”これでもかっ”というほどのサービスと料理の技術を体得し、真の料理人を育てていくという文字通り「道場」の性質を持つ。

 指導した三浦観二館長は「初めのころは募集しても修行する人がいなくて、どうしようかと思った。やっと今では笑い話にできるよ」と苦労を振り返る。

 「喰の道場」で開店する全店に約束された”旨さへのこだわり三箇条”がある。

 一、お客様の目の前で作った、できたてのお料理を召し上がっていただきます。

 二、「楽しい会話」と「こだわりのお料理」で至福のひとときを過ごしていただきます。

 三、”旬”の素材が手に入る時は、近海の地魚や地元農家の野菜などを仕入れ、芳醇・鮮烈な香味を存分にお楽しみいただきます。

 三浦館長は「仕入れや仕込みなど、お客様が見えない部分にも力を抜かず『旨いもの』が提供できる”オンリーワンの店づくり”をしてもらっていた」と話す。

10年の間で10人が独立

 「道場」では3年間の修行を積み「卒業」となる。10年の間に出店者は60人。その内の10人が卒業証書を手渡され、独立を果たしていった。

 第1期の卒業生で、中央で店を構える「すし家」の尾張大介さんは「『手を抜かず、お客様のために』と館長の下で修行を積み、喰の道場を通して3年間の中でさまざまなことを学べたから今がある」と感謝の意を込めた。

 「喰の道場」は今後、建物を残して、新たな飲食店へと生まれ変わる予定だ。

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