海老名市中央の「えびな法務総合事務所」で登記・裁判・成年後見を3本柱に活躍する司法書士・星野毅さん(75)。司法書士試験には70歳のときに合格しており、当時の合格者年齢最高記録となっている。
昭和13年、群馬県の赤城山の中腹で生まれた。3歳のときに第二次世界大戦が開戦。幼い頃に激動の時代を過ごした。
前職は陸上自衛官。戦後で貧しかったため、学びながら給与を得られる防衛大に進んだことがきっかけだ。北は帯広、南は広島まで転々としながら34年間働いた。55歳のとき、自衛官OBが安全保障の調査研究を行う公益財団に移り、研究員として8年間過ごした。
転機は60歳を過ぎてから。家族ぐるみで付き合いのあったキャンプ座間所属のアメリカ軍人が、イラク戦争の開戦により戦地へ向かうことになった。
「そのときの奥さんや子どもの顔が忘れられない。安全や防衛に関わる仕事を42年間もしてきたけれど、自分は守るべきものを守れていたのだろうか。これでは不完全燃焼ではないか」
悩み抜き、導いた結論は「司法書士になり、守るに値する街づくりをすること」。仕事を辞めた翌日から受験生生活が始まった。一年半、予備校にも通った。そこで出会った仲間は「特別」だという。「20代や外国人もたくさんいたけれど、同じ目標に向かう仲間は、年齢も国籍も関係ない」。励まし、助け合いながら勉強し、司法書士試験に7年間の受験生生活を経て合格した。
研修生として訪れた「えびな法務総合事務所」に務めることになった。「司法書士として争いを予防することは、『街を守る』ということにも直結する。相談者の人生の再建にアドバイスできる仕事をさせて頂けるのは、大変ありがたいことだね」
人生の「第3コーナー」を忙しく駆けている星野さんに、年齢を気にしている暇はない。「足が動いて文章が書けて、人と話ができる間は続けたい。明日の予定?法務局に行ってから虎ノ門で勉強会だよ」。爽やかな笑顔でそう話した。
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