幕末の幕臣、山岡鉄舟の手掛けた栗原学校(現・栗原小学校)の扁額(へんがく)が、昨年の市重要文化財指定後から進められていた修復を終え、5月11日(金)から31日(木)までハーモニーホール座間の常設展示場で展示される。
扁額とは建物の名前や建立者の思いなどを書した、建築物に掲げる額面のこと。栗原学校扁額は宣紙に墨で書かれており、額の大きさは縦93cm、横267cm。
剣・禅・書の達人といわれる山岡鉄舟は、勝海舟、高橋泥舟(でいしゅう)と並ぶ「幕末の三舟」とされ、江戸無血開城の立役者としても広く知られている。
鉄舟が栗原学校扁額を揮毫(きごう)したのは、明治13年。諸説あるが、栗原村(現・栗原周辺地域)で村民とともに庶民教育を推し進めていた豪農、大矢弥市と親交があったことから、来校した際に書を残したとされている。
昨年まで栗原小学校の郷土資料室に保管されていた扁額は、2011年3月31日、33点目となる市重要文化財に指定された。書かれてから100年以上が経過しており、紙の劣化が進んでいたことから、およそ1年にわたって専門機関による修復が進められていた。
栗原学校の前身は、明治5年の学制発布以前に、大矢氏と村民が出資し開校した「協同学舎」。庶民が通うことのできる、画期的な学び舎だった。江戸末期から明治初期にかけ、栗原村で展開された村民による庶民教育の推進活動が、座間市内の地方教育を担ったという点も、扁額が重要文化財に指定される理由となった。
市生涯学習課では、5月11日から「栗原学校と『栗原学校扁額』展」を開催する。場所はハーモニーホール座間の常設展示室。時間は午前9時30分から午後4時30分まで。栗原学校の当時の様子を紹介したパネルなどの他、修復を終えた実物の扁額が展示される。入場無料。
問い合わせは同課【電話】046・252・8431/【FAX】046・252・4311まで。
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