子どもたちの健やかな成長を願い、市民有志が2000年から続けている、かにが沢公園(緑ケ丘)での鯉のぼり掲揚――。16回目の今年、鯉のぼりを吊るすロープを巻く染井吉野の空洞化が明らかになり、掲揚が危ぶまれている。主催の「かにが沢鯉のぼり実行委員会」は「恒例行事を途絶えさせたくない」と、代替案を模索中だ。
主催者「存続、諦めない」
「公園は、鯉のぼりを掲げる最高の場所。長い間続けて市民にも定着している。まさか、こんな事になるとは」と頭を抱えるのは進藤敏行委員長。発足から携わり、約10年前からは委員長として中核を担ってきた。
取り組みは、2000年にスタート。市民提供の鯉のぼりなどを、毎年4月下旬から5月上旬にかけて揚げている。場所は、園内北側の子ども広場近く。管理者である市の許可のもと、窪地となっている砂場の上空10mにロープを渡して、鯉のぼりを吊るす。全長80m近いロープを固定するのが、東西両端の染井吉野だ。幹の保護カバーを付けた上で、ロープを何重にも回して固定する。「子ども広場からは、目線と同じ高さで鯉のぼりが泳ぐ姿を見ることができる。それが自慢だった」と進藤委員長は話す。
代替場所 探す
幹の空洞化が明らかになったのは、東側の染井吉野。市が昨年末に樹木医の診断を受けたところ、推定樹齢60〜80年の老木で、これまでと同じ方法での掲揚が難しいことが判明した。
委員会はこれを受け先月30日、臨時会議で代替案を話し合った。桜の代わりにロープを巻く設備を整えることを検討したが、予算確保が難しく、設置認可や工事の点からも4月に間に合わせることは困難だという。現在は別の場所を市内で探しているものの、「かにが沢公園のように『高さ』と『広さ』を兼ね備えた場所は無いのでは」と進藤委員長は話す。
残された時間は3カ月弱と短い。それでも、「揚げていない鯉のぼりが、10匹以上残っている。規模を縮小してでも、どうにかして大空を泳がせてあげたい」と16回目の掲揚を諦めていない。
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