三輪型のバイク(=トライク)などを製作・販売する(有)片山技研(ひばりが丘/片山秋五代表)が、車椅子のまま乗車して運転できる「側車付軽二輪自動車 コアラ」を開発し、その普及に取り組んでいる。自身もバイク好きで、交通事故の経験を糧に開発したという片山代表は「風を切って走る喜びを味わって欲しい」と話している。
コアラは、スクーターをベースに開発されたもの。車体後部に昇降用スロープが設けられており、車椅子のまま乗車し、ハンドルを使い運転する。サイドカーが付いており、健常者の人も一緒に乗車できる。「車椅子の人を包み込むように」という意図を込め、コアラと名付けた。普通自動車運転免許を取得していれば利用できるという。
運転者の体格や車椅子の種類によって細かい調整が必要になるため、3カ月ほどかけてオーダーメイドで造る。これまでに手掛けた車両の価格は100万円〜130万円ほど。「経費や製作期間を考えると安い価格設定だけれど、ボランティアだと思って」と話す。
交通事故の経験糧に
製作プロジェクトがスタートしたのは2013年。当時、足に障がいを持つスタッフが在籍しており、車椅子のまま運転できる三輪バイクのアイデアを抱いていたのが始まり。片山代表も高校時代、バイクに乗っていた時に自動車に衝突され、左足を切断するかもしれない大怪我を負っていた。「バイクに乗る選択肢を奪われ、自由を失うことが怖かった。この経験が原動力になっている」と振り返る。
これまでの製造台数は、車椅子をサイドカーのスペースに乗せて走る「介助型コアラ」も含めて5台。一般市民が購入するケースに加え、介助型は福祉施設などで利用されている。
今はホームページ(http://freewheel-jp.com/)や交流サイトFacebookなどを通じ情報発信している。今後は企業広告を車体に張り付けて、車いすの運転者に賃金を支払うといった、障がい者雇用に向けたアイデアも持っているそう。「自分の技術を活かした、社会貢献がしたい。これからも普及に尽力する」と意気込んでいる。問い合わせは同社【電話】046・252・1180。
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