厚木保健福祉事務所 地域包括ケア会議座間地区分科会の会長を務める 松山 斉久(なりひさ)さん 緑ケ丘在勤 46歳
情熱を胸に秘め、前進
○…医療や福祉従事者などが業種の垣根を越えて集まり、地域福祉を向上し、高齢化社会への対応を進める「地域ケア会議」。団塊の世代が75歳以上となる2025年以降に向けて、全国で地域包括ケアシステムの構築が進められている。座間地区分科会は、2013年7月に発足。今月15日には、「顔の見える関係」を築こうと「多職種連携研修会」を開き、医療や福祉分野から126人が参加した。3時間近く交流を持ったものの、「もっと時間が欲しかった」と、研修会に確かな手ごたえを感じている。
○…緑ケ丘を拠点に、在宅療養を支援する診療所「マザーホームクリニック」の院長。自動車で地域を巡り、診療にあたる。「24時間365日体制」と話すように、要請があれば深夜でも駆けつける。在宅医療を志したのは約10年前だった。病院勤務のなかで、「家で療養したい」「自宅で最期を迎えたい」という患者の声に触れて一念発起。2012年8月に同クリニックを開業した。多忙な日々を送るが、やりがいや喜びも多い。例えば深夜、要請のあった患者の状態が落ち着いて、車で帰る瞬間だ。「ホッとした気持ちになる。『来て良かった』と思う」――。在宅医療について語る時の口調は冷静。だが、その胸の内には情熱が溢れている。
○…鹿児島の出身。現在は横浜市で、妻と娘と暮らす。趣味は読書。学生の頃から、史実を題材にした歴史小説に魅了されている。お気に入りの一冊は司馬遼太郎さんの「菜の花の沖」。江戸時代の廻船商人・高田屋嘉兵衛を主人公にした作品だ。函館などの北方漁業を開拓した、その生き様に惹かれたという。
○…クリニックの拠点に座間を選んだのは、故郷と似た雰囲気を感じたから。「気持ちが落ち着く」としみじみ。今は、座間の風土や文化に関心を持っている。「地名の由来を調べると面白い。時間があれば、実際に市内を巡って調べてみるのもいいな」
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