9月30日の人事院勧告に伴い、厚木市職員の給与が12月から減額される。開会中の市議会12月定例会で給与に関する条例改正案の可決を受けて決定した。
今回の給与削減は、民間の給与水準を上回る50歳代を中心に、40歳代以上の市職員879人を対象に実施されるもの。最大で年4万円、最少で年1万1500円の減額となる。
平成23年度市予算に計上されている職員給与支給総額は、189億9227万4千円。同案により、市の歳出は年間約3千万円削減される見通しだ。
職員給与の削減などについて市職員課の岸田裕一課長は「今後の給与削減については、そういった声があれば、その都度、検討していきます」と話した。
ただ、市の財政状況を考慮すると、この削減額では焼け石に水なのではないかといった見方もある。その大きな理由が、震災や円高のあおりを受けた平成24年度市税収入の大きな落ち込み予測だ。減収幅は30〜40億円にも上るという。
このような市税減収は、近隣自治体でも深刻な問題となっている。隣の伊勢原市は、今年度約10億円の財源不足を受け、12月定例会で特別職の給与削減案を提出・可決。これにより、12月1日から市長は給与を30%カットしている。
人事院勧告に伴う給与削減では、特別職(市長・副市長)や議員に支給される報酬の見直しは行われない。市財政の厳しい状況では、市長らも身を削る必要があるとの声もある。
地域手当も話題に
職員給与削減には地域手当の全廃という案もある。現在、市職員に支給されている同手当は、基本給与の15%・年間約10億円にも上るという。地域手当は、地域間格差を是正のため地域の物価等を踏まえつつ、主に民間賃金の高い一定の地域に勤務する職員に支給する手当のこと。県内の多くの自治体では基本給の12%を支給。15%なのは、厚木市と鎌倉市、逗子市のみ。
同手当について徳間和男市議は「民間賃金の高い地域に支給されるもの。厚木市の民間賃金が高いという説明がつかない。手当は必要ないのではないか」と話す。地域手当については、市税減収に関連して徳間市議が一般質問を行う予定。
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