中町にある水野歯科医院の院長、水野修さん(71・森の里在住)が「第42回医療功労賞」(読売新聞社主催・厚生労働省ほか後援)で、歯科医師として唯一受賞。3月14日に帝国ホテル(都内)で表彰を受けた。
この賞は1972年に創設された。離島や被災地、発展途上国、昼夜を問わない勤務が必要な心身障害者施設など、医療活動が困難な状況で活躍する医療従事者を表彰している。今回は全国から国内・海外部門合わせて91人の推薦があり、3回の審査を経て17人が選ばれた。神奈川県内では水野さんのみ。
水野さんは1983年に家族旅行で伊豆諸島を訪れた。たまたま宿泊した民宿で新島の歯科医療機関が不足していることを聞き、高齢者を中心に訪問診療を開始した。「当時入れ歯のメンテナンスなどは船中泊して東京まで行かなければならなかった。力になりたかった」と水野さん。休暇を利用して、航路が整うまで年に数回、約20年間に渡って続けた。
また厚木歯科医師会の一員として、障害者歯科の発展にも尽力。福祉団体らと障害者のためのコンサートを開催したことを機に連携を深めて気軽に歯科診療を受けやすくしたほか、専門医を招いて障害児に多い摂食・嚥下発達障害の支援に力を入れるなど幅広い活動が評価された。
水野さんは「私1人の力ではなく皆で取り組んだ結果。今後も地域歯科診療の充実を目指したい」と話した。
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