西富岡に本拠地を置く専修大学野球部(齋藤正直監督/部員数121人)が、東都大学リーグを26年ぶりに制覇した。現在、チームは6月10日(水)に東京ドームで行われる全日本大学野球選手権大会の2回戦にむけて調整の最中。黒田博樹投手(広島東洋カープ)をはじめ多くのプロ選手を輩出した名門を指揮する齋藤監督に、選手の育成方針などを聞いた。
5月20日、専修大は神宮球場で拓殖大に勝利。8勝2敗でリーグを制した。これにより、6月8日から14日まで行われる全日本大学選手権への出場を決めた。
専修大野球部の創部は1925年。東都大学野球連盟に所属し、リーグ最多となる32度の優勝を誇る。39年春から41年秋にかけ6連覇を達成するなど東都大学リーグをけん引。しかし、他大学の台頭もあり89年春以降、優勝から遠ざかっていた。関係者によると西富岡に本拠地を構えたのは1965年10月。
齋藤監督が専修大野球部にやって来たのは昨年の3月。野球部OBで社会人野球でも活躍した実績を買われ、2部に低迷していた古豪の復活を託された。
「学生が野球を楽しんでいないように見えた。技術面よりも野球を楽しむ姿勢をつくらないと」と、まず内面の改革に着手した。相手の近くで元気にあいさつする「3m以内ルール」のほか、毎日の食事は部員全員でとるように変更するなど、コミュニケーションを最優先。部員全員が西富岡の寮や周辺のアパートで生活し、野球だけでなく学業や進路、人生相談まで選手との対話に時間を割いた。
「野球選手育成ではなく、人間育成」を掲げ、地域活動にも力を入れる。今年4月の「いせはら芸術花火大会」に野球部員がボランティアで参加したほか、今後は少年野球教室も企画するなど、「地域に開かれた野球部」を目指している。
一方、伝統のユニフォームも「若い選手たちにうけるから」と、米大リーグのアスレチックスがモチーフのデザインに変更。OBや関係者から反発もあったが「伝統ゆえのプレッシャーと戦うのではなく、現役が新たな歴史を切り拓いてほしい」との願いで断行した。
技術面では「専大八種」と名付けた独自の筋力トレーニングを考案。他大学と比べて小柄に見えた選手たちの体重が就任半年で平均6kg増え、肉体改造に成功した。高校時代に甲子園を経験した部員も多いなか、グラウンドではあえて徹底した基礎練習を繰り返した。就任当初は聞こえてこなかった部員同士のかけ声も飛び交うようになった。
「日本一になり、自分たちで野球部の新たな歴史を作りたいです」。6月1日、市役所を訪れた選手たちが高山市長に誓った。齋藤監督は「選手権は頑張った皆へのご褒美。精一杯野球を楽しんでほしい」と話した。
選手権初戦は6月10日午前11時半開始。京都学園大と愛媛大の勝者と戦う。
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