高齢者へ"あんしん袋"配布 中身の点検で定期的に訪問も
懐中電灯や水などをセットにした「災害時あんしん袋」を、綾瀬市社会福祉協議会が各地区のスタッフを通じて市内の65歳以上の高齢者のみの世帯に配布している。
市全域での取組みは県内初
「あんしん袋」は、地震などで家に閉じこめられた場合に備える非常袋の役割だけでなく、中身の交換や点検で定期的にスタッフが配布先に訪問でき、災害時の対策や日常の困りごとなど、要援護者のニーズを把握するほか、見守り訪問ができる利点もある。市社会福祉協議会によると、市全域で実施されるのは県内で初という。
袋には懐中電灯、飲料水、キャラメル、笛が詰められている。7月5日から、民生委員の協力で市内14地区社協のスタッフにより、対象世帯への配布が開始されている。
今後は懐中電灯の電池消耗確認と、キャラメルと水の交換のため、3カ月から6カ月程度の間隔でスタッフが定期的に各世帯を訪問予定。要援護者のニーズ把握やコミュニケーション強化をはかる。これまで課題とされていた要援護者と社協との繋がりを強め、地区社協の活動をより有効にしていく。
対象となるのは市の「地域要援護者登録制度」に登録している65歳以上の高齢者のみの世帯で、平成23年3月31日現在で623人。
袋の配布は平成17年から検討が始まり、全エリアに地区社協が発足した平成22年8月の事業部会で具体的な提案された。同11月には市内深谷上のサントリーフーズ株式会社の協力で水の提供が内定。対象者や袋の中身や大きさ、素材などを決定し、このほど配布が開始された。
「あんしん袋」は、横浜市都筑区池辺地区の地区社協で17年12月から始まった「安心くん」事業をモデルにしている。同地区では、スタッフが必要性を感じる高齢者や障がい者に同様のセットを自主配布しているもので、県外の社協スタッフも注目し、視察に訪れている。日ごろ人付き合いが苦手な人も災害に関しては危機感があり「グッズの配布は訪問のきっかけ作りに適しているのでは」と同社協は話している。
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