8月26日から開かれる世界ジュニア選手権に出場する 竹内澪乃(みおの)さん 綾北中学校 3年
無理せず自分のリズムで
○…ついに掴んだ国際大会の出場権。「ずっと出たいと思ってきたので嬉しいです」。いよいよ来月、ドバイで行われる「第4回世界ジュニア選手権」に背泳ぎの選手として臨む。選考競技会となった「ジャパンオープン」では日本を代表する選手らが出場。決勝では憧れの寺川綾選手と競い合った。世界へはばたく登竜門、目標がまたひとつ現実となっていく。
○…幼い頃、ぜんそくを抱える体を丈夫にしようと水泳を始めた。幼稚園の頃クラブに入り、小学校2年生の頃にはその才能をのぞかせていた。担当コーチは「先頭に立つタイプではなかったが、きれいなフォームで、きっといい選手なれると思った」と当時を振り返る。大会に出るようになると勝負の楽しさがやみつきに。小学校5年生の頃には全国大会の常連となり、バレエやピアノも習っていたが、中学入学のときに水泳に集中することを決めた。
○…「力んだら疲れてしまうので、調子が悪いときは無理はしません」。あまり考え過ぎず、時には「まいっか」と割り切って前に進む。中学1年の秋から冬にかけて自分は良いタイムが出ない反面、周囲は力をつけていく中で焦りや不安が溢れ、スランプを迎えた。それでもプールに通い、コーチに喝を入れられ、メンタルが不安定になりがちな思春期も気持ちをひきしめ自力で立ち直った。苦しくても悔しくても、人前では涙を見せず、弱音も吐かない。少女の中にはしっかりとアスリートの志が宿る。強みを増し、昨夏は全国大会で2種目を制覇した。
○…強みはスタート直後に差を付けられる水中動作。現在はキックを強化している。まだまだ伸びしろは大きく、日々成長中。ただし大好きな水泳は「ストレスをかけずに」。食事は好きなものを食べるし、夜は携帯電話で友達とSNSなどを楽しむ。未来にむかってまず1歩。力まず、自分のペースで、世界の扉を叩く。