綾瀬市立図書館入口の特集展示コーナーに、綾瀬中学校の生徒がデザインしたPOP(本の紹介文)が貸出可能な書籍とともに展示されている。図書館が推進している学校連携事業の一環で、綾瀬市内では初の取り組み。POPは9月4日まで掲出される。
このPOP作りは昨年、教科書の変更に伴い綾瀬中1年生の国語の授業に取り入れられた取り組み。前年度は校内でのコンクールという形が取られていた。
今展示は綾中の橋本亜弥子総括教諭と、図書館で子ども読書推進活動担当を務める百瀬茉莉奈さんの2人がきっかけとなり、同館が推進する学校連携事業として実現した。前任校の綾北中時代から繋がりのある百瀬さんと、「学校と図書館が連携した取り組みをやりたい」と話していたという。
両者の取り組みの背景には、全国的な課題となっている「ヤングアダルト(中学生から大学生)世代」の図書館離れがある。
同校では蔵書を大幅にリニューアルし、昨年度市内中学校で初めて学校司書を導入するなど、生徒が訪れやすい環境整備に力を入れている。一方で、市立図書館側もこの「空白の年代」にアプローチする蔵書の貸し出しや企画展を行うなど、両者の目指すところが一致しているのも要因の一つとなった。
今回の企画展では学校側は教育の幅を広げられる場として、図書館側は利用が減る中学生世代が足を運ぶ機会創出の場として、相乗効果が期待されている。
10人の作品が受賞自由な発想・デザインで表現
POPは生徒が読んだ本をもとに、レイアウトや紹介文を各々自由に作成している。プロの司書が審査員となり180作品の中から金賞・銀賞各1、銅賞2、レイアウト賞とインパクト賞各3を選出。7月19日には図書館職員が学校に出向き、表彰を行った。
金賞を受賞したのは1年2組の箕輪萌衣さん。自身が読んだ『四年霊組こわいもの係』を紹介する作品が選ばれたことに、「自分の描いたものが飾られるのは嬉しい。POPをきっかけに、この本が多くの人に読んでもらえたら」と話す。
「好きな気持ち」前面に
もともと読書が好きで、『ハリー・ポッター』などファンタジーものをよく読んでいるという箕輪さん。書店のPOPで本を選ぶこともあり、デザインなども日頃から気にして見ていたのだという。
作る際こだわったのは、作品の面白さや自分が最初に感じた印象を、どう伝えるか。好きなところを説明文に盛り込むだけでなく、イラストや配色、折り紙を使うことでカラフルに明るく仕上げ、見た目で楽しさが伝わるよう工夫した。
抜群に目を引き遠くからでも視認できるというPOPの機能を果たしていることや、文字がぎっしりにも関わらず色や柄を多用することで読みやすくまとめていること、「この本を紹介したい」「この本が好きだ」という気持ちが表れているところが評価された。
他の受賞者は以下(敬称略)。▽銀賞/本山健太(1組)・▽銅賞/秋山栞愛(1組)、堀渡彩花(5組)・▽レイアウト賞/鳥谷陽向(1組)、田沼こゆき(1組)、由井大暉(3組)・▽インパクト賞/高木汐音(2組)、岡虎鉄(5組)、杉本大斗(4組)。
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