12月1日まで、上町で横須賀の風景を描いた版画作品展を開く 青木 理恵さん 本町在住 36歳
版画で描く街の肖像
○…バラが咲き乱れるヴェルニー公園、どぶ板通りを闊歩する米海兵、看板建築が美しい上町の商店。そのどれもが横須賀を象徴する存在なのだが、多くの人がありふれた景色として見過ごしていることを残念がる。日常に隠れた唯一無二の横須賀の姿を絵にしたため、版画を制作。個展で披露する。「いつもと少し違った視点で街の素晴らしさを再確認してもらえたら」
○…下絵・彫り・摺り、全ての版画技術は独学で習得した。「小学校の図工の授業がベースで、自己流なんです」と笑うが、独特のタッチで描かれた作品は見る者を不思議と惹きつける。ポップな色使いと可愛らしいイラストで、素朴さや温かみを感じさせ、一般的な木版画の印象を覆す。本業は、企業のイメージキャラクター制作や本の挿し絵などを手掛けるプロのイラストレーター。寝ても覚めても考えるのは絵のことばかり。「絵がない生活はもう考えられません」
○…昨年5月、結婚を機に横浜市金沢区から横須賀へ移り住んだ。隣り合う街にも関わらず、新天地は未知の世界。正直な印象を尋ねると、「ちょっと怖そうな街」だった。そんな自分が1年半後、まさか横須賀をテーマにした版画の個展を開くとは思ってもみなかった。街を知り、人を知ると見えてきた本当の横須賀の姿。当初のイメージは180度変わり、今では「異文化が集まる面白い街」と愛着は深まるばかり。日本と海外、今と昔が混在するこの街は、アーティスト魂を大いに掻き立ててくれる。
○…人々の息遣いが聞こえるような生活感のある空間を求めて、路地裏や商店街を好んで巡る。カメラを片手に昔の面影を探しながらの街歩きは、欠かすことのできないライフワークになっている。「この間、古い倉庫を発見したんです。『これだ』と思うものを見つけると作品にしたくてウズウズします」と目を輝かせる。早くも次回作に意欲は燃えている。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>