湘南学院高校の生徒有志が「おりょうさん公園」(大津町)横にある郵便ポスト上に、坂本龍馬と妻・おりょうのブロンズ像を設置しようと動き出している。大津にゆかりあるおりょうの認知度増と観光拠点化、手紙文化の振興を目指す。地元や郵便局も全面的に協力していく構え。費用はネット上で資金を集めるクラウドファンディングを実施し、8月中旬頃から寄付を募る。
寄付募り、10月の披露目指す
生涯のうち、後半生33年を横須賀で過ごしたおりょう。現在は大津町の信楽寺にあるお墓で眠る。
同校では昨年、地域の歴史や文化の研究活動を実施。その際「地元に住んでいるにもかかわらず、おりょうの存在を知らなかった学生が多かった」と生徒会長の田中翔太さん(3年)。おりょうの認知度を上げることで「一つのまちおこしができるのでは」と生徒会を中心に声が上がった。美術部、パソコン部、写真部から有志を募り、昨年冬にプロジェクトチームを結成。地元県議のアドバイスを参考に、「龍馬とおりょうの恋文ポスト」と銘打った事業を展開することになった。夫婦像をきっかけとした地域の賑わい創出、薄れつつある手紙文化の関心増を目指していく。
各部で協力
今年に入り、各部活で作業に取り掛かっている。
パソコン部は像の制作費や、広報などの資金に必要と算出した200万円を、クラウドファンディングを用いて、調達することを目指す。市内の業者から手法を学び、7月から運営に取り組む予定。ポストカード等の返礼品を用意し、関心を高める工夫を凝らす。写真部と連携したSNS上での情報発信も行っていく。
美術部は50センチサイズになる像の原型を紙粘土で制作している。夫婦が優しく抱き合う様子を表現。「紋章も刻むなど、細かな部分にもこだわった」と部長の橋本怜奈さん(3年)。恋文が書かれたハート形の巻物で2人を囲ったあと、業者に委託し、ブロンズを流し込む。
学生のまちおこしに周囲も手を差し伸べる。横須賀三春郵便局の山崎惠局長は「手紙の利用者が増えてくれれば」と期待を寄せ、安全性の問題などをバックアップしていく。大津地域で商店会活動を行う大商チェーンの西村覚会長は「地元としては大歓迎。寄付等で協力していけたら」とこちらも支援態勢を整える。
資金の調達等が順調に進めば、毎年10月2週目に信楽寺で開かれる「おりょう墓前祭」で披露する予定となっている。
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