神奈川県 小網代の森、散策路を整備中 自然保全と環境学習の場に
貴重な生態系が保たれている小網代の森。2012年度から散策路の整備として木道の設置を行っている県は、3月31日までに設置を終わらせる予定であることが分かった。その後、安全と自然環境保護を目的に、緑地内に標識や危険区域の立ち入り防止柵の設置他を行う計画。県は、費用として14年度予算案に2058万円を盛り込んでおり、7月の一般開放を予定している。
小網代の森は、河川の源流から河口の干潟まで自然がほぼ手付かずのまま残る約70haの緑地。県は、10年に用地取得を完了。自然の保全と環境学習の場として整備をするために、12年度から木道などの設置を進めてきた。散策路の距離は約1・3km。
小網代の森には、海まで繋がる浦の川が流れている。森を貫く浦の川が注ぐ河口干潟、さらに相模湾へと繋がる小網代湾が一体となった自然が残っているのが特徴。源流から海まで自然の生態系が連なるこのような場所は、関東の中でも唯一の場所とされている。
約2千種類の生物が生息されているといわれている同森だが、貴重な自然を象徴する生物のひとつがアカテガニの生息だ。アカテガニは、普段森に住むカニで甲幅約30ミリ。海沿いから尾根の上まで見ることができる。産卵の時期になると、卵を抱えて森から海に行く。カニの赤ちゃんは、約1カ月間海で過ごし、再び山に戻る。このような生物が生息できるのも、源流部から海までの自然が残っているからとされている。
県は「貴重な自然が残されている場所。環境学習の場として役に立つようになれば」と話している。
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