昨年11月に逗子市で起きたストーカー殺人事件について、被害者の個人情報が市役所から流出した可能性がある問題で、平井竜一市長は19日、会見で対策として「情報セキュリティー推進本部会議」を立ち上げたことを明らかにした。5つの検討課題を設け、個人情報の閲覧にかかる窓口対応やパソコンの管理体制を厳格化し、情報の保護に努めるという。
会議は平井竜一市長を本部長として、副市長や教育長、部長級の幹部ら14人で構成。検討課題は【1】市の情報セキュリティー基準の改定とパソコンのID・パスワードの管理徹底、【2】電話など窓口対応で人的ミスを防止するための個人情報保護強化対策、【3】ログイン認証変更などシステム面での対策、【4】全庁での研修強化、【5】その他、不正に情報を引き出そうとする探偵業などへの対策―の5つ。今後部会を設けながら「課題を整理しながらできることを速やかに進めていく」(平井市長)としている。
被害者の個人情報にアクセスした記録が残る納税課では、一部で見直しを先行。これまで離席する際、パソコンをログオフする目安としていた「長時間」を「5分」、1時間以上離席する場合には「電源を落とす」、さらにやむを得ず他人の端末を使用する場合は「自分のIDとパスワードを使用し、速やかにログアウトする」など改めたという。
平井市長は会見で「情報の流出元が市だったかどうか現在も確認はできていない」とした上で「個人情報保護への取り組みは強化していかなければならない。また市として捜査には最大限協力する」と見解を示した。
補足
逗子ストーカー殺人事件/2012年11月、逗子市の三好梨絵さん(33=当時)が以前交際していたとみられる男に殺害された事件(男はのち自殺)。同事件では被害者の情報漏えいが問題となっており、警察の捜査過程で市納税課から個人情報が流出した疑いがあることが浮上。記録を閲覧した形跡はあったが、市の調査では誰がアクセスしたのかは特定できていない。市では「外部に情報が流出したかは未確認」とした上で情報管理の強化を進めている。
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