日本建築学会北陸支部の北陸建築文化賞に、梶浦暁建築設計事務所(鵠沼橘)の事業が選ばれた。同賞は北陸、信越地方の建築文化の発展に対して大きく貢献した事業や建築作品に対して贈られる。梶浦社長は受賞に対し、施主や施工会社含め「一体感をもって、誇りをもって進めた。いいものができた」と喜びを口にした。
受賞した事業は日本酒で有名な新潟県の菊水酒造の全面改築。1970年代から行われた増改築で製造ラインが煩雑になるなど課題を抱えてきた建物をおよそ8年かけて整理しなおし、完成させた。
評価されたのは、整えられた製造ラインや将来の拡張性といった機能性の向上はもちろん、豊かな水を生む二王子岳や周囲の酒米田といった自然との調和、働く人たちのことを考えた快適性、そして地域を愛する地元企業としての誇りを形にしたことなど。
それを生み出したのは対話を重視した梶浦流の設計にある。単純に施主からの要望に応える一方向の設計が多い中、「オーナー含め、全社員、施工会社など皆さんに集まってどうしたいのか議論を重ねた」と梶浦社長。意見が対立することもあるが、妥結点を見出す中、「お互いの理解が深まり、目からウロコの価値観が生まれることもあった」と振り返る。そればかりか、工事関係者一丸で酒米の田植えを手伝い楽しんだこともある。「時間もかかり大変ですが、みんなで信頼関係を築き納得のものづくりができた」と満足感に溢れた笑顔を浮かべた。
まだ完成ではない。今後は工場敷地内に庭園カフェや地域の名産品を販売するショップのオープンも控える。「働く方々が誇りが持て、多くの人が楽しく訪れる、和み、美味しいお酒ができるように醸す場所にしたい」と締めた。
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