津波警報が発令されたら、海岸にオレンジ色の旗を掲げて避難を促す。鎌倉市内のマリンスポーツ関係者たちで構成される「鎌倉マリンスポーツ連盟」(松田穂理事長)が、東日本大震災を受け、新たな海のルールを考案した。同連盟では「全国ルールとして鎌倉から広めていきたい」とし、県や市にも協力を打診。普及啓発や訓練を行いながら周知・定着を進めていく。
「波や風にかき消され、沖合いにいるウインドサーファーたちに津波警報はまったく届いていなかった」。材木座でウインドサーフィン店を経営し、鎌倉マリンスポーツ連盟の事務局長を務める新嶋光晴さんは、自身の体験した3月11日をそう振り返る。
レース用の旗を海に向かって懸命に振ることで、なんとか知らせることはできたが「これは、何らかのルールや信号が必要」と感じ、視覚にうったえる「旗」のルール化を連盟に提案した。これを受け連盟では、4月上旬に旗の色のテストを実施。くもりの日でも、沖合いから目立つように「オレンジ色」が採用された。
「全国化」に向けて
さらに、鎌倉市には市外や県外からも多数のマリンスポーツ愛好者が訪れることから「鎌倉だけのローカルルールでは意味が無い」とし、全国化への発展に向け動く。同月開催された、海の安全や環境に目を向けようと進められている、日本財団の「渚の交番(2010年宮崎県に1号拠点が新設)」の会合では、集まった千葉県、静岡県、島根県、宮崎県、沖縄県のマリン関係者らにこのルールの全国展開を発案し、賛同を得ることに成功。各地域で普及を目指し、取り組んでいくことが話し合われた。
「用意しやすいよう、旗に統一規格は作らないつもり」と新嶋さんは話す。海から目立つよう、周囲の協力を得ながら材木座や由比ガ浜では、海岸周辺の建物からもオレンジ旗を掲げる。掲揚には、津波注意報以上の、津波警報と大津波警報の発令時を想定する。
先月22日に材木座海岸で行われたマリンスポーツフェアでは、初めての訓練も実施された。今後もルールの普及啓発に向けた活動が進められていく。
鎌倉マリンスポーツ連盟は多年にわたる取り組みが「鎌倉の海の安全と環境保全に尽力」したとして、2011年度の神奈川県県民功労者表彰を授賞している(ボランタリー活動)。
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