北鎌倉を舞台にしたミステリー小説「ビブリア古書堂の事件手帖(三上延著、アスキー・メディアワークス刊)」が、7月発売の隔月誌「good!アフタヌーン(講談社)」で交田稜氏の作画で漫画連載されることが決まった。これに先立ち、同誌5月発売号では予告が掲載されている。小説や映画など、様々な作品の舞台となってきた鎌倉だが、近年はライトノベルや漫画の舞台としても注目を集めている。
同書は、若者向けのライトノベルとしてアスキー・メディアワークスより刊行されている。現時点でシリーズ累計200万部を超えており、文庫本として初めて2012年度の本屋大賞でノミネートされた。
北鎌倉にある古書店を舞台に、人見知りの店主、篠川栞子と、大船在住の青年、五浦大輔が、客が持ち込む古書にまつわる謎を解き明かしていくミステリー小説で、現在2巻まで発売されている。古書店自体は架空のものだが、登場する「漱石全集」や太宰治「晩年」などの書籍は実在のものに基づいている。
物語は五浦青年の視点で進められていく。その描写には古書店があるとされる北鎌倉駅近辺から、自宅のある大船界隈の様子などが記され、作中には市内小町にある島森書店も登場する。五浦青年は、かつてあった松竹大船撮影所近くに住んでおり、北鎌倉界隈にある県立高校を卒業した設定になっている。市民による鎌倉の描写が見どころの一つだ。
2月には隔月誌「アルティマエース(角川書店)」でナカノ氏によりすでに漫画化を実現している。小説は6月23日(土)に第3巻が発売予定。同社では「古い本にまつわる人間ドラマが丁寧に描かれていると講評を得ている」と話している。
作家に愛される鎌倉
鎌倉は戦前より文士ゆかりの地として有名であり、また川端康成や里見弴など多くの文豪がこの地に居を構えた。小津安二郎監督の「麦秋」など映画の舞台としても広く知られている。
小説や映画に比べて特に若年層に親しまれている漫画やライトノベル、アニメーションにも鎌倉は深い関わりがある。
「フクちゃん」で有名な横山隆一氏は、生前市役所前に居を構えており、鎌倉駅地下道の鎌倉カーニバルのパネル絵は同氏によるもの。鎌倉舞台の漫画で代表的な「鎌倉ものがたり(西岸良平著)」は一昨年連載300回を迎えた。また江ノ電沿線が作中に登場する「海街Diary(吉田秋生著)」や作者が市内在住の「オチビサン(安野モヨコ著)」は江の島や市内で原画展を開いている。市民団体の鎌倉観光フォーラムと共同で鎌倉を作中に登場させたアニメーション「セイクリッドセブン」も記憶に新しい。
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