関東も梅雨入りし、本格的なあじさいの季節に突入した。市内社寺は雨露に濡れた可憐な花を楽しむ人で賑わいを見せている。
そんな鎌倉のあじさいを、東日本大震災被災地に植栽しやすらぎの場を創出しようとする「鎌倉アジサイの苑プロジェクト」が今年で2年目を迎えている。
プロジェクトの実施場所は宮城県南三陸町の大雄寺。震災前、樹齢300年を超える杉並木が有名だったがその多くが津波で流されてしまったため、「あじさいが地域の新名所になれば」と選ばれたという。3年で約2千株の植栽を目標にしており、主催の鎌倉市社会福祉協議会は先月末もボランティアとともに現地に入り、生育状況などの確認と植栽を行った。
5月30日に鎌倉を出発したバスには、市内を中心としたボランティアら約20人が乗車。南三陸町に到着すると以前訪れた際に植えた苗の状態を確認、その後、手分けして植栽を実施した。今回の作業場所には30度の傾斜があり、参加者は「ロープにつかまりながらで大変だった」と振り返る。今回の活動で、植栽株数はのべ約1300株となった。
夏の訪れが遅い東北では、あじさいが花開くのは6月下旬ごろ。しかし大雄寺のものはまだ株が小さいため、今年の開花については判断できないという。
市社協の担当者は「復興に向けて頑張る被災地の人の励ましとなれば。参加した皆さんからは成長を見守りたいと感想が寄せられています」と話している。
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