ミツバチが突然集団で姿を消す「蜂群崩壊症候群」とみられる現象が、ここ鎌倉でも起きている。原因は不明だが世界各地で報告されており、EUでは本腰を入れた対策が進んでいる。蜂蜜だけでなく、野菜や果物の受粉の仲立ちをすることで私たちの生活に多大な恩恵をもたらしている益虫の失踪について、市内津西在住のアマチュア養蜂家の山口稔さん(72)に話を聞いた。
2年前から養蜂
山口さんが養蜂を始めたのは2年前。「テレビで銀座のビルの屋上で養蜂をやっているのを見て興味を持った」ことがきっかけだったという。県の畜産課に問い合わせると、養蜂組合のメンバーを紹介されて手ほどきを受け、自宅の屋上で養蜂を行っている。
もともと生き物を飼うのが好きだという山口さん。蜂の生態について「社会を形成しており、見ていて非常に興味深い」と話す。採蜜活動が活発になる4月から8月にかけて、今年は約140キロの蜂蜜を採取。「自分で採った蜂蜜の味は格別」と頬を緩める。
働き蜂が消えた
そんな中、昨年に続き、8月末から9月にかけて働き蜂の一部が消えたという。厳密な数字はないが「およそ1万8千匹いた蜂のうち、3分の1ほどがいなくなったのではないか」と空になった巣箱を見ながら山口さんは話す。
こうした現象は「蜂群崩壊症候群」と呼ばれる。2006年にアメリカで報告され、世界各地で確認されている。ダニやウイルス感染、農薬、ストレスなど様々な原因が指摘されているが、特定には至っていない。EUでは2013年5月に原因のひとつと考えられているネオニコチノイド系農薬について、ミツバチの被害につながる可能性のある方法での使用を禁止した。
山口さんは「野菜や果物の受粉など、ミツバチがいなくなったら自然界は成り立たなくなる。この失踪をきっかけに、自然環境の大切さへ目を向けてほしい」と話した。
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