若宮大路の中央部に位置する「段葛」の改修工事が、11月4日から始まった。老朽化の目立つ参道を補強し史跡としての風致・遺構を保全するとともに、参拝者と車両の安全確保、桜並木の回復と育成が主な目的。工事が終わる2016年3月まで、通行できない。
工事に先立ち11月1日、二ノ鳥居前で起工式が行われた。式には松尾崇市長をはじめとする来賓のほか、鶴岡八幡宮の氏子や工事関係者ら約40人が出席。神職が祝詞を奏上し工事の安全を祈願した後、吉田茂穂宮司らが「鍬入れ」を行った。
改修工事は、参道を支える石積みにたるみやひび割れが目立つようになったことや、大正初期の改修で植えられた桜の老化が進んだことから行われるもの。工事は2016年3月までの予定で、期間中は高さ3mの仮囲いで遮蔽され、通行できなくなる。
改修により左右の堤をコンクリート擁壁の上に石積みする構造として、積石のたるみや崩落を防止するほか、踏み固めで桜の根を傷めないよう、参道の下に貯留槽と基盤材を埋設する。また試掘調査で発見された土層を保護するため、南側に向かって厚くなるように参道路面の「かさ上げ」を行う。東西への横断が可能な「開口部」に関しては、これまでの36カ所より少なくなる見込みだ。
現在植えられている桜は、専門家が「育成が期待できる」と鑑定したものを平家池周辺に移植し、そのほかは伐採する。改修後は、種類や樹齢など可能な限り統一した桜を新たに植え、育成に適した樹間を確保するため従来(248本)より少ない180本程度となる予定。つつじ類は全て同宮の境内と、交流のある東日本大震災の被災地に移植する方針だ。
段葛は1182年、源頼朝が妻・政子の安産を祈って造成させたと言われる。現在は国指定史跡「鶴岡八幡宮境内」の一部に含まれ、所有者は宗教法人鶴岡八幡宮、登記上の地目は境内地となっている。
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