高徳院(市内長谷)の「鎌倉大仏」(国宝銅造阿弥陀如来坐像)で来年1月から約2カ月間、保存修理が行われることになった。前回の改修から50年以上が経過していることを受け、大仏像の表面と胎内の洗浄や今後の保存に向けた現状調査を実施する。期間中は足場や屋根が設置されるため、大仏の拝観はできなくなる。
「50年に一度の健康診断」。高徳院の佐藤孝雄住職(52)は7月28日、同院で開いた記者会見でこう説明した。
1252年に青銅で鋳造された鎌倉大仏。1959年から61年にかけて「昭和の大修理」と呼ばれる改修が実施され、強化プラスチックを使用した首回りの補強や地震対策が施された。
今回の改修は、それから50年以上が経過していることから、今後の保存に向けた現状の調査とクリーニングを行うもの。総事業費約6500万円のうち、約4500万円は国、県、市の補助を受け、残りを同院が負担する。
改修が行われるのは2016年1月13日(水)から3月10日(木)までの約2カ月間。例年観光客が少ない時期であることから選んだという。
期間中は高圧放水などによる大仏像表面や胎内の洗浄を実施。金属の傷みや腐食の状態、露座で酸性雨などの影響を受けやすいことから気象環境などについても調査し、記録写真の撮影を行う。足場が設置され、屋根やシートで囲われるため、大仏像の拝観はできなくなる(高徳院は期間中も拝観可能)。
収集したデータは専門機関による解析を行い、今後の本格的な改修に活かしていく考え。佐藤住職は「一般の参拝者や周辺の商店の皆さんにご迷惑をおかけすることになるが、ご理解いただきたい」と話した。
鎌倉版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|