県立近代美術館・鎌倉館では11月23日(月・祝)まで、一般から募集した同館との「思い出の写真」を展示している。建物の保存は決定したものの、来年1月31日での閉館が決まっている同館。学芸員の松尾子水樹さんは「美術館としての建物の佇まいを過去から振り返ることができる最後の機会です」と話している。
このイベントは11月17日の「開館記念日」に合わせて企画されたもの。来年1月31日の閉館を控え最後の記念週間となることから、30年以上前の同館が写った写真を一般から募った。
その結果、白黒のものから80年代のカラー写真まで21点が集まった。七五三や婚約者とのデートといった記念日の背景に、同館が写っている。また現在とは違うカラーリングの柱や今は別館に移設している彫刻、文献にしか記録が残っていなかった中庭のスクリーンなども確認できる。
松尾さんは「想像以上に貴重な写真が集まりました。展示を通じて60年以上の美術館の歩みを間近に感じてもらえれば」と話す。
保存決定も閉館へ
同館は国内初の公立近代美術館として1951年に建設された。建築家・坂倉準三が設計を手がけ、「戦後モダニズム建築の傑作」と高く評価されている。
しかし敷地を有する鶴岡八幡宮との借地契約が2016年3月で満了することを受け、県は昨年、当初の契約通り更地にして返還する方針を決定。これに反発した市民有志が保存を訴える活動を開始し、署名1万6千筆以上と要望書を関係5カ所に提出した。
その後、県は八幡宮と調査を行い「地下遺構を損なわずに補強が可能」と結論付け、今年の10月には本館棟が保存されることが明らかとなった。ただ返還は予定通り実施されるため、建物が美術館として活用されるのは来年1月31日までとなる。
同館は記念週間の期間中、午後5時から6時まで建物のライトアップを行っている。また1月まで最後の展覧会「『鎌倉近代美術館』誕生」を開催中。午前9時30分から午後5時まで(入館は4時30分まで)。月曜休館だが祝日は開館。問合せは【電話】0467・22・5000同館へ。
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