1月末で展覧会活動を終了し、3月末で閉館する県立近代美術館・鎌倉館。同館本館棟について神奈川県はこのほど、「県指定文化財としての保存」を視野に、建物を引き継ぐ予定の鶴岡八幡宮と協議を進める方針を明らかにした。指定されれば戦後の建築物としては初となる。
これは現在開会中の県議会本会議で、桐谷次郎教育長が答弁したもの。
桐谷教育長は同館の3つの建物のうち、老朽化や耐震性などに問題がある新館棟と学芸員棟を2016年度中に解体する方針を示し、新年度予算案に関連経費を計上した。また本館棟については、「県指定文化財として保存する方法も視野に、鶴岡八幡宮と協議していく」とした。
建築家・坂倉準三が設計し「戦後日本モダニズム建築の傑作」と高く評価されている同館。県は当初、土地を所有する鶴岡八幡宮との借地契約が今年3月末で満了することに合わせ、閉館し解体したうえで土地を返還する方針を示していた。しかしその後、市民による署名活動などを受けて、本館棟を保存し八幡宮に引き継ぐと発表。現在、保存に向けた耐震化の方法や経費の負担について、八幡宮との間で協議を進めている。
県文化財に指定されると、改修などに規制が設けられる一方で、費用補助などが受けられるという。1951年に開館した同館が県文化財になれば、戦後の建築物としては初。県教育委員会は「今後の保存に向けて、まずは文化財としての価値を整理していきたい」と話している。
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