神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鎌倉版 公開:2016年3月25日 エリアトップへ

鎌倉と源氏物語 〈第4回〉 ファーストレディ松下禅尼

公開:2016年3月25日

  • X
  • LINE
  • hatena
京都市遠望
京都市遠望

 「武士の都」として知られる鎌倉ですが、『源氏物語』と深い関係があることはあまり知られていません。文化薫る歴史を辿ります。

 第4代執権北条経時の母・松下禅尼といえば兼好法師が書いた『徒然草』の障子を張るエピソードで、質素なイメージが定着しています。しかし、それは出家後のおそらく40歳を過ぎてのこと。夫である北条時氏の六波羅探題北方の赴任で、一緒に京都に上ったときはまだ20代前半でした。

 六波羅探題北方は京都では鎌倉幕府のトップで、松下禅尼は、今でいう「ファーストレディ」。質素どころか、宮廷やお公家さんを相手にした華麗な文化の体験者です。また、夫妻は京都で藤原定家と親しく交際していたと定家の日記『明月記』に記されています。

 定家が「青表紙本源氏物語」を作ったのは1225年。ちょうど夫妻が京都に滞在していたときで、長男・経時が生まれた翌年のことでした。

 この一家が、鎌倉人として「青表紙本源氏物語」を目にした最初の人たちだと私はみています。松下禅尼は、定家との交流で、『源氏物語』に目覚めたのかもしれません。

 夫妻が京都に赴任した最初の年に経時、4年目に時頼、その後に時定が生まれます。鎌倉へ帰る年に、檜皮姫を懐妊しました。

 2、3歳になった時頼が母・松下禅尼に抱かれながら、「青表紙本源氏物語」を見せられて手を伸ばし、「触ってはいけません」などと注意されている場面を想像すると、微笑ましいです。

織田百合子
 

鎌倉版のコラム最新6

かまくら花めぐり(建長寺:早春から)

鎌倉のとっておき 〈第176回〉

かまくら花めぐり(建長寺:早春から)

12月20日

古都の縁(鎌倉と京都) ―一条恵観ゆかりの場所―

鎌倉のとっておき 〈第175回〉

古都の縁(鎌倉と京都) ―一条恵観ゆかりの場所―

11月29日

かまくら花めぐり(長谷寺:盛夏から)

鎌倉のとっておき 〈第174回〉

かまくら花めぐり(長谷寺:盛夏から)

11月15日

鎌倉公方ゆかりの寺院(瑞泉寺、別願寺)

鎌倉のとっておき 〈第173回〉

鎌倉公方ゆかりの寺院(瑞泉寺、別願寺)

10月25日

私の幸福(しあわせ)時間 神奈川編

鎌倉淡水魚紀行 2024特別編【2】

私の幸福(しあわせ)時間 神奈川編

〜番組を終えて〜

10月18日

かまくら花めぐり(長谷寺:陽春から)

鎌倉のとっておき 〈第172回〉

かまくら花めぐり(長谷寺:陽春から)

9月27日

鎌倉市交通安全対策協議会

初詣に合わせて鎌倉駅周辺の交通規制を行います。鎌倉への初詣は電車・バスをご利用ください。

https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/koutsuu_anzen/nennmatsu.html

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月22日0:00更新

  • 8月20日0:00更新

  • 7月16日0:00更新

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

鎌倉版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年12月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook