JR北鎌倉駅に隣接する素掘りのトンネル付近で8月11日、岩石の崩落が発生した。けが人などはいなかった。このトンネルをめぐっては「文化財的な価値がある」とする専門家の意見を受けて、市が「出来るだけ尾根を残すかたちで安全対策を実施する」と発表したばかり。「来年1月までには」としていた仮設工事による通行開始も大幅に遅れる見通しとなった。
崩落が発生したのは8月11日の午後4時50分頃。場所はトンネルの鎌倉側の坑口付近で、約4㎥の岩石が崩れ落ちた。けが人などはいなかった。
原因について市は「岩盤の間のクラック(亀裂)が徐々に広がったことにより崩落に至ったと考えている」としている。
11日以降、新たな崩落は発生していないが、亀裂等も発見されているといい、市は「まずは専門家に調査を依頼し、原因や応急対策についての意見を求めたい」としている。
また、市は仮設の安全対策工事を実施し「遅くとも来年1月までには通行できるようにする」としていたが、改めて専門家の意見を聞く必要があるため「仮設工事が最低でも1、2カ月は遅れることになりそうだ」としている。
掘られてから80年ほど経過しているとされるこのトンネルでは、昨年4月に「崩落の危険性がある」として市が通行止めを決定。同年8月には、岩そのものを切り崩す「開削」による安全対策の実施を決定し、市議会9月定例会で関連する予算が可決された。
しかし文化庁の要望を受けて7月に開催された市文化財専門委員会で「トンネルが掘られた尾根には文化財的価値がある」という結論が出されことから、市は「できる限り尾根を残すかたちで安全対策を実施する」方針を明らかにしていた。
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