鎌倉歴史文化交流館が企画展「甦る永福寺(ようふくじ)―史跡永福寺跡整備記念―」を12月9日(土)まで開催している。なかでも期間中の土曜日に実施している「永福寺のVR体験」が人気を博しており、関係者は「この機会に多くの人に来てほしい」と呼びかけている。
この企画展は市内二階堂にある史跡永福寺の整備工事が今年7月に完了したことを記念したもの。
永福寺は奥州合戦などで命を落とした諸霊を供養するため源頼朝によって建立された。ただ、室町時代の火災以降は再建されず廃寺に。当時の資料には「極楽の様子をそのまま表したようだ」などと表現されているものの、絵図が残っていないため外観などはわかっていなかった。
そんななか市は、1981年度から2007年度にかけて発掘調査を実施。すると二階堂と阿弥陀堂、薬師堂が複廊でつながり、寝殿造り風の建物と一体の建物群を構成していることや、目の前に大きな池があり橋がかけられていたことなどが判明。当時を代表する大寺院だったことがわかった。
その後の整備工事で建物の基壇や池を再現。その壮大さを伝える史跡として今年7月に一般公開された。
散策を疑似体験
発掘調査で発見された出土品や関連資料が並ぶこの展示。もう一つの目玉となっているのが、VR体験会だ。これは湘南工科大学コンピューター応用学科の長澤可也教授研究室が発掘調査の成果をもとに、コンピューターグラフィックス(CG)を駆使して同寺を3D化したもの。頭部に装着するディスプレイを使って境内や橋の上を散策している感覚を味わえるという。
この「VR永福寺の特別体験会」はこれまで2日間開催され、すでに140人が参加。今後は11月18日、25日、12月2日、9日に鎌倉歴史文化交流館(扇ガ谷1の5の1)で行われる。関係者は「最新の技術とよみがえった永福寺を体験できる機会。ぜひ多くの人に来館してほしい」と話している。
開館時間は午前10時から午後4時まで。日曜祝日は休館。観覧料一般300円、小中学生100円。問い合わせは同館【電話】0467・73・8501へ。
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