神奈川県衛生研究所(市内下町屋)は今月12日、県内の海水における安全性を確認する目的で放射能濃度の測定を実施した。測定結果として、健康被害を及ぼすヨウ素131、セシウム137、同134はいずれも不検出だったと発表した。
神奈川県は例年、海水浴場の水質検査を実施しているが、今回は別の調査。福島第一原子力発電所周辺の海水の放射能濃度が高いことや今月に入り同発電所において放射性廃液を放出したこと、県民から不安の声が多数寄せられていることなどを考慮し、県内の海水の安全性を確認するために実施した。
測定したのは市内東海岸南のヘッドランド。12日に県保健福祉事務所職員がバケツで10リットルを採水。そのうち3リットルが衛生研究所に届けられた。衛生研究所ではさらに2リットルを特製ビーカーに移し、放射能測定器で測定した。
検査時間は7500秒(約2時間)で、これは研究所が実施している牛乳の測定時間と同様の所要時間を採用したもの。
13日には測定結果を県のホームページなどで公表し、ヨウ素131、セシウム137、セシウム134の「不検出」が明らかになった。同研究所は今回の結果について「相模湾を流れているのは南西から北東を通過する黒潮で、福島方面からの海流も東の海へ押し出される海流。入り江状になっている相模湾に福島方面からの海流が逆流して直接流れ込むことは考えられない。この結果は予想通り」と話している。今後についての同様の検査や海水浴場の水質検査と併せて放射能の検査を実施するか等は未定とのこと。
■神奈川県衛生研究所
県民の健康と生活の安全を守ることを目的に明治35年に前身のペスト検査所として設置された機関。平成15年に横浜市から下町屋に移転してきた。
現在は河川や飲料水道水の水質検査、食物や農作物、医薬品の品質検査などに加え、施設内のモニタリングポストで放射能の測定も行っている。県内の公共機関で放射能測定が出来るのは県衛生研究所のみ。放射能の測定は通常年1回の公表だったが、東日本大震災の発生以来、毎日数値の発表を行っている。
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