午前中、中央公園から「シャアシャアシャア」とセミの大合唱が聞こえてくる。聞きなれたアブラゼミやミンミンゼミの鳴き声ではない。この主は日本最大級のセミ「クマゼミ」だ。この10年の内に中央公園で大量発生しており、今季、過去最多記録を更新している。
「今までにないペース。一日で650個の抜け殻が見つかることもあります」
茅ヶ崎市職員で、茅ヶ崎野外自然史博物館スタッフでもある岸一弘さんは、今年最初に確認した7月12日を皮切りに、平日ほぼ毎日のペースで抜け殻の数を記録している。今月5日までに仲間達と集計した個体数は3130個。2008年の2077個が最多で、今シーズンは倍近い数を記録する勢いとなっている。
クマゼミは元来西日本に生息する南方系のセミだ。年々増加しながら分布を広げているが、その明確な理由は専門家の間でも分かっていない。ただ県内でみれば、大磯町以西と三浦市の城ヶ島での生息は以前から確認されており、特に城ヶ島では戦前という古い記録も残っている。
発生数をみると桁外れの推移をみせている茅ヶ崎市。2001年に中央公園で抜け殻16個が確認されて以降、3桁、4桁と数を伸ばしている。岸さんは過去10年の記録から、クマゼミが3年周期で成虫になっているのではと推測。ピークの翌年に一旦数が下がり、3年のうちに増加する傾向になっているからだ。「今シーズンのセミは(最多記録の)2008年の子ども世代という可能性があります」。来年の発生数が今後の判断材料となりそうだ。
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