野口聡一宇宙飛行士や土井隆雄宇宙飛行士のゆかりの地である茅ヶ崎市。この茅ヶ崎市でかつて日本初のロケット火薬実験が行われたとの証言をもとに、宇宙開発の幕開けを告げた記念碑建立計画が進められている。
日本の宇宙開発の第一歩は、1955(昭和30)年の4月に東京の国分寺市で公開試射された東京大学の糸川英夫教授のペンシルロケットとされている。このペンシルロケットに火薬を提供したのは、その第一人者といわれた村田勉博士であった。
JAXAの的川泰宣名誉教授によると、この村田博士による日本で最初のロケットの打ち上げ(火薬実験)が1934(昭和9)年に横須賀海軍砲術学校辻堂演習場であった汐見台で行われ、以後、海岸一帯で終戦まで繰り返されたという。
加山雄三さんの証言も
記念碑の建立計画は、「ちがさき宇宙記念日(8月9日)」創設に尽力したちがさき宇宙フォーラムのメンバーが、的川名誉教授からこの話を聞き及んだことがきっかけとなった。メンバーらは昨年、市民有志を募って日本初ロケット火薬実験の地記念碑建立実行委員会(前川義憲会長)を立ち上げた。委員会ではこれまで様々な文献、関係者に当たり、裏付け作業を行ってきた。そんな中で、かつてこの地に住んでいた加山雄三さんの「終戦直前、自宅の前の海岸にロケット研究所の発射試験場があった」との証言も得られている。
記念碑は2カ所に設置
茅ヶ崎市や藤沢市、JAXAなどの後援を得て設置される記念碑は、汐見台小学校前の汐見台ウッドデッキと茅ヶ崎海岸ヘッドランドイベントデッキ北側の2カ所に設けられる予定。高さは1・5mで上部にCの文字と銘文が取り付けられる。記念碑は8月9日の宇宙記念日に野口聡一宇宙飛行士飛行10周年記念事業として披露される。
市民に協力を呼びかけ
実行委員会の前川会長は「茅ヶ崎が日本の宇宙への挑戦の曙に深く関わっていたことを多くの市民に知ってもらい、後世に伝えるために寄付も募っています。ぜひ多くの方のご協力をお待ちしています」と話している。
記念碑建立のための寄付については、同実行委員会寄付金部会【電話】090・3691・4963(根本晴一さん)へ。
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