神輿や提灯の製作・修復工房「茅ヶ崎 神輿康」の代表・中里康則さん(44)=茅ヶ崎市今宿在住=が、11月26日(現地時間)にカナダ・バンクーバーの日系センターで神輿文化の魅力を発信するトークショーを行った。
この催しは現地の「晩香坡櫻會(さくらかい)」が主催したもの。同団体は今年夏に結成され、10月にブリティッシュコロンビア州の文化団体認可を受けた日系団体。神輿担ぎなど日本の伝統文化を紹介し、次世代への継承を目的に活動している。
中里さんが同団体と繋がることになったきっかけは数年前。同団体の代表・清野健二さん(46)=大和市出身=が神輿文化に触れようと、バンクーバーから茅ヶ崎の中里さんを訪ねて来たことが始まりとなった。2人は「互いの神輿や文化継承に対する情熱に触れ、共感した」と意気投合。その後もメールで交流を深め、清野さんが日本を訪れた際には中里さんのもとに立ち寄り、夜遅くまで神輿談義に華を咲かせたという。中里さんは「直接会ったのは数回だが昔からの知り合いのように感じた」と話した。
そして今年に入り、清野さんが同団体を設立するにあたり中里さんが神輿製作監修と会運営の相談役を引き受けることに。清野さんは「中里さんのことを現地の人にも知ってもらいたい」と講演を企画し、日系団体・新聞に協力を仰いで企画を実現した。
トークショーで人の輪広げ
講演当日、中里さんは法被姿で登壇し「5歳の時に自宅裏の松尾大神の神輿を見て神輿の虜になった」「高校卒業後に大工を経て、かねてからの夢だった神輿職人として起業した」などのエピソードを披露。浜降祭や相州神輿の魅力についても語った。翌日、シアトル郊外にある北米唯一の神社「アメリカ椿大神社」を参拝し、禰(ねぎ)宜(ねぎ)と面会するなどした中里さんは「老若男女、国は違っても神輿を通じて人の輪が広がるのを間近に感じた。有意義な時間を過ごせた」と振り返った。
カナダへ自作の神輿を
同団体は、神輿を製作し来年7月のカナダ建国150周年パレードで披露しようと計画していたが、予算面などで頓挫しかけていた。帰国後、その話を聞いた中里さんは「お世話になっている団体のために、何か力になりたいと思っていたので、ぜひ自費で神輿を作り贈らせてほしい」と提案。計画の続行が決まり、これから神輿製作が始まる。
「いつかバンクーバーの海『イングリッシュベイ』で、浜降祭をイメージした『海の祭り』を行いたい」という清野さんの抱く夢に対し、中里さんは「できる限り協力し、日本の文化を海外に発信していきたい」と意気込みを語った。
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