今年茅ケ崎警察署管内で発生した振り込め詐欺などの「特殊詐欺」が、件数、被害額ともに県内最多となっている。
1月から5月18日現在までに発生した特殊詐欺の認知件数は55件(前年同期比34件増)。被害額は約1億2591万円(同約5730万円増)にのぼる。
同時点までの県全体の認知件数は671件(同259件増)、被害額は約15億4357万円(同約2億7600万円増)。
茅ケ崎署管内は半年経たない内に昨年の発生総件数64件に迫る勢いで、続く大和市の40件、6100万円とも大差があることなどから、「異常事態」として危機感を高めている。
オレオレ詐欺被害が多数
茅ケ崎警察署管内で発生した特殊詐欺55件の手口の内訳は、「オレオレ詐欺」42件、「還付金詐欺」9件、「架空請求」4件。中でも、息子などの身内や親しい友人などを装って金銭を要求する「オレオレ詐欺」の被害が、件数、被害額ともに目立っている。
特殊詐欺を担当する同署生活安全課によると、「会社のお金を紛失した、事故を起こした、といったパターンは今でも多い。しかしまだひっかかってしまう人がいる」という。
カード手渡し型被害が増加
「オレオレ詐欺」被害で最近急増している新たなパターンに、クレジットカードなどを直接取りに来る「カード手渡し型」がある。また架空請求では、20代などの若者の被害も発生している。
同課は「いずれも振り込みと異なり、他者の目が入らないため、途中で発覚しにくい点が被害を拡大させている」と危惧し「手口の多様化も被害増加に拍車をかけているのでは」と分析する。
70代女性の被害目立つ
茅ケ崎署管内で被害が増加している理由について同課は、高齢者が多く住む点を挙げる。被害は50〜80代が多く、中でも70代の女性の被害件数が目立つ。
「被害にあった方は皆、特殊詐欺のことを知っていても、その被害にあってしまった。実際に連絡があると、パニックになってしまう。自分こそが狙われている、と思わないと隙が生まれてしまう」
有効な対策は「留守番電話」
これらの特殊詐欺に有効な対策は「留守番電話の設定」。茅ケ崎署によると、詐欺の初動のほとんどは固定電話からという。「犯人は、留守番電話に声、つまり証拠が残ってしまうことを避ける傾向がある。用事がある人は何度もかけてくるか、メッセージを残す。ぜひ留守電の設定を」と呼びかける。
同署では、生活安全課を中心に、防災無線やイベントなどで、繰り返し注意喚起をしているという。
「郵便局、株の権利売買、還付金、直接顔を合わさないお金の話は全て詐欺と思ってほしい。不審に思ったらすぐに連絡を」と同署。問い合わせは【電話】0467・82・0110へ。
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