神輿や提灯の製作・修復工房「茅ヶ崎 神輿康」の代表・中里康則さん(45)=茅ヶ崎市今宿在住=が、カナダ・バンクーバーに贈る神輿を完成させ、5月14日に松尾大神境内=今宿=で完成式典を行った。
この神輿は、現地の日系文化団体「晩香坡(バンクーバー)櫻會(さくらかい)」(清野健二代表)に納めるもの。同団体は昨年夏に結成され、神輿担ぎなど日本の伝統文化をカナダに紹介し、次世代への継承を目的に活動している。
同団体と中里さんの繋がりは、数年前に清野さんが神輿文化に触れようとバンクーバーから中里さんを訪ねてきたことがきっかけ。二人は互いの「神輿や文化継承にかける情熱」に意気投合し、交流を深めてきた。
昨年、清野さんが団体を設立するにあたり中里さんが相談役を引き受けることになり、11月に団体の結成発表会のゲストとして招かれ、現地で講演を行った。
感謝を神輿に込めて
同団体は神輿を製作し今年7月のカナダ建国150周年パレードで披露しようと計画していたが、予算面などで頓挫しかけていた。帰国後その話を聞いた中里さんは「お世話になっている櫻會の力になりたい。自費で神輿を作り贈らせてほしい」と提案。計画の続行が決まり、今年2月に神輿に使用する木材のおはらいを行い、製作を始めた。
製作したのは相州(湘南)神輿。現地の人たちが担ぎやすいように胴体を太くして安定させ、木材の種類を変えることで200kg程度に軽量化を図るなど工夫を凝らした。また同団体の会紋「水桜」や、団体の繁栄を願って鶴の彫刻を入れるなど細部にもこだわった。中里さんは「精魂込めて作ったこの神輿で、バンクーバーの多くの人が笑顔になってもらえたら」と話す。
14日の式典には松尾大神宮司や今宿松尾大神筆頭総代の出口定幸さん、今宿松尾大神神輿保存會のほか、櫻會のメンバー一人が来日し参加。神事を行ったあと日本での初担ぎを行った。
神輿は中里さんの友人らが梱包し、船便で6月中旬に現地へ届く予定。中里さんも現地に赴き7月2日のパレードでお披露目の初担ぎを行い、その後もイベントで活用する。中里さんは「多くの人の協力がなければここまでできなかった。感謝の気持ちでいっぱい。カナダで担がれるのが今から楽しみ」と話した。
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