平塚沖に間伐材の漁礁 漁業関係者 豊かな漁場の形成に期待
平塚市漁業協同組合が22日、昨年の台風で倒木した国道134号線(虹ヶ浜)のマツや秦野市の浅間山(せんげんやま)から間伐したヒノキを使った漁礁(ぎょしょう)を、虹ヶ浜沖約1600メートル、水深40メートルの場所に設置した。
平塚の海岸線は単調な砂浜が続いており、茅ヶ崎市や大磯町と比較しても海底の変化に乏しい。そのため、魚の棲息地となる天然の漁礁が存在しないことから、同組合は漁場造成の必要性を考え、人工漁礁の作製に着手した。
同組合の漁師が、3本の木を1束にして3個のコンクリート製ブロックにしばりつけ、7束の漁礁を作った。総重量は1750kgで、クレーンを使い海底に沈めた。
今回使用した134号線のマツは、傷んでいたため処分される予定だったものを再利用した。間伐材は秦野森林組合からの提供で、「何かに活用できないか」という提案が寄せられていたという。
小田原漁協ではすでに、間伐材を使用した漁礁にイカが卵をつけた例も確認されており、平塚市の水産担当は「初の試みに期待したい」と話す。また、「伊勢えびが住み着いてくれたら」と考え、漁礁のおもりに使ったブロックには、穴の開いたものを選んだ。
通常、人工漁礁は鉄やコンクリート製のものを用い、潮の流れを変えて海底に沈んでいる養分を巻き上げる役目も果たす。そこに発生したプランクトンに魚が集まり、漁礁として成立するが、木製の漁礁はそれ自体が、カニやえびの一種であるキクイムシなどの餌になるため、早い効果が見込まれる。
市漁協は4月末頃に水中カメラで様子を調べ、その後も定期的に経過を観察していくという。
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3月28日