映画『男はつらいよ』をはじめ、松竹の約200作品で照明監督を務めた市内在住の青木好文さん(85)が1月22日まで、撮影現場で渥美清さんらの横顔をスナップに治めた写真展を、大磯ちいさな美術館(大磯町東町2の8の26/15日・16日休館)で開く。
青木さんは47年間、松竹技術部に所属。寅さんシリーズ40作や、山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』、『息子』などの名画を手がけた。日本アカデミー賞をはじめ、23作品で国内技術賞を受賞している。
青木さんは渥美さんと年齢が一つ違いで、現場でも特に馬が合った仲だったという。「渥美さんは、おでんやラーメンのような庶民的な味を好んだ。ロケ先の旅館で豪勢な料理が用意されても、こっそりとタクシーで抜け出してよく食堂に連れて行かれた」と、青木さんは懐かしそうに笑う。
照明の仕事では、3千種のフィルターや反射板などを駆使し、場面に応じて俳優の表情に陰影や彩りを加えた。青木さんは「役者は食材で照明はコック。全編きれいな照明で調理すると、お客さんは何が美味しかったのか印象に残らない」と語る。時に態度の悪い大物俳優を怒鳴るなど、職人肌として関係者に慕われた。
引退後は一昨年に肺癌を患うまで、全国各地で講演。映画ファンに喜ばれる俳優の横顔や撮影の裏話を好んで語った。今回の会場でも13日、「”寅さん”なんでもトーク」と題した青木さんの講話が開かれる。時間は午後2時。定員40人。問い合わせは同美術館【電話】0463・61・2971。
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